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Your search : [ author:整理 丁歌 え·李玉紅] Total 120 Search Results,Processed in 0.087 second(s)
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41. トラと七人の娘
お山の中腹に、ミヤオ(苗)族のおばあさんがおりました。おばあさんには、花のように美しい七人の娘がありました。娘たちは、まるで下界にまいおりた天女のようにきれいでした。ある日、おばあさんは、親せきをたずねようと思いたち、出かけるまえに、七人の娘に、くれぐれも言いのこしておきました。「ねえ、娘たちや。あたしはしばらくおまえたちのおばあさんの家へ行つてきます。山にはトラやオオカミがたくさんいるのだから、
Author: 採録 謝馨藻 え 李玉紅 Year 1961 Issue 9 PDF HTML
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42. 小さな騎手
むかし、イェンラオ山のふもとに、モロンというひろびろとした草原があった。清らかな水がながれ、牧草のゆたかにはえそろったこの草原には、働きもののチベット族の牧人たちが住んでいた。牧人の子のトンチュと牧人の娘のチョマは、大の仲よしだった。いつもいっしょに野花をつみ、きのこをとり、歌をうたった。牛や羊をつれてゆくのもおなじ場所だった。ある日、ふたりが草原で羊の番をしていると、とつぜん遠くから一匹の馬が走
Author: 採録 趙燕翼 え 李玉紅 Year 1962 Issue 5 PDF HTML
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43. ノーシとユタン
むかしむかし、リー族の住む山の村に、ノーシという若者とユタンという娘がいました。ノーシはいさましいかりうどで、弓矢としゅり剣がとてもじょうずでした。とぶ鳥の目玉をねらえば、矢はけっして羽根のほうにそれるようなことはありません。走る鹿のくびすじをねらえば、刀はけつして足のほうにそれるようなことはありません。ユタンは、りこうな、働きものの娘であるうえに、はたおりがとてもじょうずでした。花のもようをおる
Author: 語り手 王新芹 え 李玉紅 Year 1962 Issue 6 PDF HTML
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44. おサルの裁判官
あるところに、こんもりしげった森がありました。そこにはむかしから、さまざまな鳥やけだものがすんでいました。ある日、ひとりの猟師がやってきて、森のなかの小道におとし穴をほりました。大きな深い穴ですが、上に木の枝や枯れ草をしいて、土をかぶせたので、すこしもかわった様子にはみえません。それを木の上から一匹のサルが見ていました。猟師がいってしまうと、サルはキッキッキッといってわらいました。「うまいこと穴を
Author: 採録 趙燕翼 え 李玉紅 Year 1962 Issue 8 PDF HTML
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45. 十二月老人のはなし
「一年には何ヵ月あるか、おまえさんはごぞんじかな」「そらあ、知ってますよ。一年は十二ヵ月でしょう」「では、どんな月があるか、言ってごらん」「一月、二月、三月、四月、五月、六月、それから……七月、八月、九月、十月、十一月、十二月。正月がすぎないと二月はやってこないし、二月がすぎないと三月はやってこない、そうでしょう?」「まったくじゃ。ところで、わしらのあいだには、正月に〈十二月老人〉の話をして興ずる
Author: 採録 走小月 え 李玉紅 Year 1962 Issue 9 PDF HTML
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46. 金瓜坊やと銀豆っ娘
中国の甘粛(カンスウ)省を流れる黄河(ホワンホー)の西岸に、鉄柜山(テエクイシヤン)という大きな石の山があります。年寄りの話によると、この山の下にはどっさり宝がうずまっているそうです。ところがおしいことに、この山をもちあげることのできるふしぎな鳥もいまはおらず、鳥がもちあげているあいだその山をささえる石も砕けてしまったので、宝物はいつ日の目を見られるかわからないということです。ところでこの山にはつ
Author: 採録 趙燕翼 え 李玉紅 Year 1962 Issue 11 PDF HTML
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47. 鈴鐺児(リンタル)
鈴鐺児(リンタル)は五つのときにおつかさんをなくした。おとっつあんは、とおいところからひとりの後家さんを牛車にのせてつれてきて、鈴鐺児のおっかさんにした。鈴鐺児はすなおな子なので、まま母にもしたしみをこめて「おっかさん!」とよんだ。一年たつと、おっかさんは男の子を生んだ。男の子は宝蛋児(パオタル)と名づけられた。宝蛋児が七つ、鈴鐺児が十二になった年におとっつあんが死んだ。宝蛋児には生みの親がいてか
Author: 採録 趙燕翼 え 李玉紅 Year 1962 Issue 12 PDF HTML
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48. ロバの耳
むかしむかしあるところにアロフという貧乏人が住んでいた。家にはロバが一匹いるだけで、ほかにはこれという財産もなかった。アロフは一週七日のうち、日曜日だけはいつもの仕事をやすみ、ロバをつれて山へしば刈りにいった。夏のある日曜日、一番どりがなくころに目をさましたアロフは、さっそくロバをひき出して鞍のうしろに皮のヒモをゆわえつけ、ヨーグルトのかんやパンのふくろもつけたうえ、オノを腰にロバにまたがり、鼻う
Author: 採録 劉発俊 え 李玉紅 Year 1963 Issue 1 PDF HTML
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49. 霊芝草の話
村の地主の趙一千(チヤオイーチエン)は、金の威光をかさに、人泣かせの悪いことばかりしていた。ある年の冬、みぞれが二十日(はつか)あまりも降りつづいたので、どこの家も食うものに困った。地主のやしきの米ぐらにだけは米がうなるほどあったが、人に一合半勺貸しあたえるではなし、ものもらいが来るといつも大きな声で悪態をついた。「かえれ、かえれ、わしなんかはまだヘソの緒(お)きってこのかた、腹のへったためしがな
Author: 語り手 劉鳳祥 え 李玉紅 Year 1963 Issue 5 PDF HTML
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50. ひょうたんのまくら
むかしむかし、バララシというところがありました。もともとゆたかなところでしたが、お金持ちと貧乏人の差がひどくて、みんながみんな楽しくくらしているわけではありません。ドレイ主や大臣たちは勝手気ままなことをし、ぜいたくなくらしをしていましたが、おおぜいの貧しい人たちは竹の小屋さえたてられず、モチ米のご飯をたべることもできませんでした。その頃イェンハンポンという一人のみなしごがいました。イェンハンポンは
Author: 語り手 康朗英(カンラノイン) え 李玉紅(リーコイホン) Year 1963 Issue 12 PDF HTML