むかしむかしあるところにアロフという貧乏人が住んでいた。家にはロバが一匹いるだけで、ほかにはこれという財産もなかった。アロフは一週七日のうち、日曜日だけはいつもの仕事をやすみ、ロバをつれて山へしば刈りにいった。夏のある日曜日、一番どりがなくころに目をさましたアロフは、さっそくロバをひき出して鞍のうしろに皮のヒモをゆわえつけ、ヨーグルトのかんやパンのふくろもつけたうえ、オノを腰にロバにまたがり、鼻う...
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むかしむかしあるところにアロフという貧乏人が住んでいた。家にはロバが一匹いるだけで、ほかにはこれという財産もなかった。アロフは一週七日のうち、日曜日だけはいつもの仕事をやすみ、ロバをつれて山へしば刈りにいった。夏のある日曜日、一番どりがなくころに目をさましたアロフは、さっそくロバをひき出して鞍のうしろに皮のヒモをゆわえつけ、ヨーグルトのかんやパンのふくろもつけたうえ、オノを腰にロバにまたがり、鼻う...