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Your search : [ author:李暁一] Total 38 Search Results,Processed in 0.130 second(s)
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11. 凧(たこ)
凧の話がでると、わが編集部では幼かったころどんなに凧あげに熱中したかについての思い出話がとびだす。そのときはほんとうに童心に返った思いがする。記者は中学にはいる前、ずっと農村でくらした。毎年春風が吹きはじめると、村の子供たちと一緒に凧をあげに出かけた。野っ原や丘の上を走りまわり、笑いころげたあの日々。走りつかれると、竹の箸の糸まきを地面につきさし、風のまにまに揺れる凧を見あげる。わたしたちは地面に
Author: 李暁一 Year 1978 Issue 1 PDF HTML
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12. 北京の果脯(グオプー)
早春三月の北京といえば、大地の氷はすでにとけたとはいえ、余寒がなおきびしい。路傍の草が芽を萌出し、果樹園の木々も冬ごもりから目をさましたばかりである。そのころ、新鮮なくだものをもとめようと思ってもちょっと入手しにくい。商店には、リンゴやナシなど冬越しのくだものが並んでいるにすぎない。そんなときに果脯―つまり、くだものの砂糖漬けが目につく。果脯(ゲオブー)にはリンブ、ナシ、モモ、スモモ、アンズ、ナツ
Author: 李暁一 Year 1978 Issue 3 PDF HTML
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13. 当帰
当帰(ダングイ)は中国の特産で、貴重薬として知られている。当帰については、わたしも小学校のころからその名を聞いてはいたが、その薬効について知ったのは、結婚してからだった。というのは、もともと病弱だった妻が、すでに二人の子の母となり、勤めから帰っても家事に追われているというのに、体の方は結婚まえより丈夫になったということからだった。血色もよくなり、なかなかタフである。親戚のものや友人が集まったときな
Author: 李暁一 Year 1978 Issue 4 PDF HTML
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14. 金魚
金魚のふるさと中国では、昔から草花をいじったり、金魚を飼ったりして、生活の潤いにする習わしがある。日本でも、中国におとらず金魚が人々の愛玩物になっていると聞いている。しかし、金魚の故里は中国だということは一般に認められ、有名な生物学者ダーウィンも、ヨーロッパの金魚が十六、七世紀に中国から伝わったものだということを認めている。中国と日本の学者の見解によれば、中国から日本に金魚が伝わったのは、ヨーロッ
Author: 李暁一 Year 1978 Issue 5 PDF HTML
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15. 沙田ザボン
今年も広西チワン族自治区の特産である沙田ザボンが街に出まわった。それを見ると、わたしは息子が初めて沙田ザボンを食べたときのことを思いだす。それは去年の秋のことだった。出張から帰ると、四歳になる息子が待ってましたとばかり、わたしの首に抱きつき、ほほずりしながら、「お父ちゃんの居ない間に、とてもおいしいものを食べたの」と話しかけてきた。「いったい何を食べたんだい、そんなにおいしかったのかい」息子はいた
Author: 李暁一 Year 1978 Issue 11 PDF HTML
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16. 北京蜂王精(ロイヤルゼリー)
不老長寿の物語先日、わが家に故郷から珍客の来訪があった。少年時代の親しいクラスメートとそのおじいさんである。二十年ぶりに旧友に再会するのは、なんともうれしいものだ。顔を合わせるなりお互いにこづきあい、やがて、相手のひげづらをしげしげと見て、ハハハと笑い出した。さて、そのおじいさんだが、血色もよく長いひげをたらしたすがたを見て、わたしはおどろいた。この人には、幼いとき、よく遊び相手をしてもらい、おや
Author: 李暁一 Year 1979 Issue 4 PDF HTML
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17. 揚子江デルワニ
ここは、安徽省の揚子鰐繁殖研究センター、広大な池の岸近くに、半ば沈んだ朽ち木が漂っている。見るともなく見ていると、水面に顔を出した小さい亀がよじのぼって甲羅干しをはじめた。そのうち、木がすっと傾いて沈み、あわてた亀が端まではっていった。と、朽ち木が突然大口を開けて、あわれな亀をのみ込んだ。ヤンズ·アリゲーター、つまりこれが揚子江ワニだったのだ。暗褐色の鱗板におおわれて風釆は上がらないが、これは、パ
Author: 李暁一 Year 1985 Issue 12 PDF HTML
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18. 雄大な“夢”を刻む劉声道さん
石竜山は、四川省重慶市の近くにある。ここで、ある老人が若者数人をひきいて、現代の摩崖石刻の奇跡をつくり出そうとしている。大きな石の壁面に、名人の書や絵を丹念に彫りつけているのだ。その人は劉声道さん。民間の彫刻芸術家で、土地の人は、劉さんのことを“今愚公”と呼んでいる。(愚公は中国の伝説中の人物で、子や孫をひきいて門前の大きな山二つを移したという、ねばり強い精神の持ち主)劉声道さんは、六十五歳、四川
Author: 李暁一 Year 1986 Issue 4 PDF HTML
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19. 中国の薬酒さまざま
中国の民間では、こんな物語が伝えられている。その昔、聡明で美しい娘がいた。不幸なことに、大人になるやならずで、ハンセン氏病にかかってしまった。そのころの人びとは、結婚して相手にその病気をうつさなければ、その人は救われないと思っていた。そこで、目に入れても痛くないほどかわいい娘を救うために、両親は八方手をつくして娘を純朴な若者にめあわせた。ところが、心根のやさしい娘は夫にその病気をうつすに忍びず、新
Author: 李暁一 Year 1986 Issue 6 PDF HTML
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20. たんきりせき止め
せきは、漢方医学でいう「傷風感冒」(かぜ)と同様よくかかる一種の病気。一年中見られるが、とくに冬や春など天気多変の季節に多い。発生場所は肺。肺は外的には皮膚や毛とつながりがあり、内的には五臓(心·肝·脾·肺·腎)を守る働きがある。だからこの「外感内傷」が起れば、せきがでる。少し詳しく説明すると、外感とは、風·寒·暑·湿·燥·火など外部から侵入する要因で発病すること。そのうち、風と寒が“代表格”。内
Author: 本誌·李暁一 Year 1989 Issue 3 PDF HTML