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カメラ·魯忠民] Total 59 Search Results,Processed in 0.223 second(s)
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12. 汨羅江畔の端午節 湖南篇
五月五日は端午の節句 門に艾(よもぎ)を插せば 家のなかはよい香り 粽(ちま)を食べ砂糖をふりかける さあ 竜舟が水に浮かんだぞこの民歌に歌っているように、農暦五月五日の端午節(端陽節または五月節ともいう)になると、中国の町や村、とくに南方の広大な農村では、どの家も入り口にヨモギを插し菖蒲(しょうぶ)を掛け、ちまきを食べ、川や湖のほとりで竜舟競漕をみる。こうした民俗行事は、二千二百年前の愛国詩人屈
Author: カメラ·魯忠民 文·丘桓興 Year 1984 Issue 9 PDF HTML
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13. 水郷の暮らし 湖北篇 (上)
珍しい形の下駄おなじみの『三国志』のなかに、こんな一節があることを覚えていられるだろう。-東呉の大将周瑜(しゆうゆ)は赤壁の戦いで火攻めによって、一夜のうちに北魏の八十万大軍の水寨、戦艦、および陸上の兵営を灰燼と化した。華容(かよう)の小道を敗走した曹操(そうそう)はぬかるみ道に苦しみ、兵士に稲わらを敷かせ、また西蜀の大将関羽(かんう)のお情けで、やっと荊州へ逃げかえった......。いま、私たち
Author: 文·丘桓興 カメラ·魯忠民 Year 1984 Issue 11 PDF HTML
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14. 屈原の古里 湖北篇(下)
山の民の背負いかご一筋の山道が帯のように山肌に巻きついている。切りたつ山々の頂きをみあげると、藍色の空がのぞいているだけである。谷底の渓流ははげしい音をたてて流れ、三人の山びとが鉄鉤で杉の丸太を流している。沔陽(めんよう)をあとに、わたしたちは車で西へ二〇〇キロ余も走って、宜昌市にやってきた(ここで数万の労働者が長江をせきとめ、今のところ中国最大の葛洲壩(ゴーチューバー)水力発電所を建設中である)
Author: カメラ·魯忠民 文·丘桓興 Year 1984 Issue 12 PDF HTML
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15. 斉魯の遺風 山東篇(上)
使い古された一輪車昨年の中秋節のころ、わたしは北京から東南へ七〇〇キロ下って、山東省の沂水県をおとずれた。ここは沂蒙山の山腹に位置し、二千年前の戦国時代は魯国に属していた。今日でも北沂山の穆陵関には、黄土、砂、石灰の版築を用いた古代の長城跡が残っている。この数百キロもつづく長城は北側の斉国が築いたもので、当時は斉国と魯国との境界線であった。そのため、後世、山東省を「斉魯の邦(くに)」とよぶようにな
Author: 文·丘桓興 カメラ·魯忠民 Year 1985 Issue 2 PDF HTML
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16. 漁村の詩情 山東篇(下)
海草で葺いた屋根高波が漁港の防波堤にくだけて、まっ白なしぶきをあげている。港内は、風を避けて停泊中の漁船のマストが林立し、色とりどりの三角の小旗がマストのてっぺんではためいている。……ここは栄城県大魚島にある筏子圏(フアヅーチワン)という漁港だ。岩山を背に黄海にのぞみ、山東半島南端の一角にあって、中国北方の有名な漁港石島から二キロしか離れていない。二千年前、“泱泱(おうおう)たる大国”と称された斉
Author: 文·丘桓興 カメラ·魯忠民 Year 1985 Issue 3 PDF HTML
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18. 魚のシャブシャブ 四川篇(中)
風変りな魚釣りと魚の“シャブシャブ”自動車で、成都の西南一八〇キロの洪雅県炳霊郷にむかう。仏教の聖地、峨眉山の北麓にあたる山岳地帯だ。曲りくねっている、山間の自動車道路をゆっくりと進んでいく。雲海に浮かぶ深緑の山峰、枝葉の茂る竹林、勢いよく流れる渓流、峡谷に掛る吊橋などが、目にうつる……もうすぐ炳霊郷というところで、窓こしに、まるで弓のようになって、川のなかに垂れさがっている竹竿が見えてきた。「あ
Author: 文·丘桓興 カメラ·魯忠民 Year 1985 Issue 6 PDF HTML
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19. 滑竿、懸棺葬、その他 四川篇(下)
駕籠の一種―滑竿(ホワガン)長距離バスの発車する寸前、六十歳ぐらいの瘦身の男が八十歳あまりの老婦人を背負って、あわただしくやってきた。人びとに助けられて、ふたりは、やっとのことでバスにのった。老婦人の目は見えない。両足も硬直している。なおる見込みはなさそうだ。ところが、息子である瘦身の男はさじを投げない。母を背負って、町の病院に行ってきたという。途中のバス停で、母はトイレに行きたいと訴えた。男は、
Author: 文·丘桓興 カメラ·魯忠民 Year 1985 Issue 7 PDF HTML
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20. 魯迅の故郷風土と人情 浙江篇(上)
「千里鶯(うぐいす)啼きて緑紅に(みどりくれない)映ず、水村山郭酒(すいそんさんかくしゆき)旗の風」(唐の杜牧·『江南春』)とうたわれた陽春三月、わたしは浙江省紹興県柯橋鎮(まち)を訪れた。早朝、宿の一室から、水郷一帯の風光を見わたす。碁盤の目のように区切られた田畑、青々とした小麦の広がり、じゅうたんを敷きつめたような黄色の菜の花、縦横に交錯するクリークの水面は朝やけに映えてかがやいている……。足
Author: 文·丘桓興 カメラ·魯忠民 Year 1985 Issue 9 PDF HTML