山の民の背負いかご一筋の山道が帯のように山肌に巻きついている。切りたつ山々の頂きをみあげると、藍色の空がのぞいているだけである。谷底の渓流ははげしい音をたてて流れ、三人の山びとが鉄鉤で杉の丸太を流している。沔陽(めんよう)をあとに、わたしたちは車で西へ二〇〇キロ余も走って、宜昌市にやってきた(ここで数万の労働者が長江をせきとめ、今のところ中国最大の葛洲壩(ゴーチューバー)水力発電所を建設中である)...
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山の民の背負いかご一筋の山道が帯のように山肌に巻きついている。切りたつ山々の頂きをみあげると、藍色の空がのぞいているだけである。谷底の渓流ははげしい音をたてて流れ、三人の山びとが鉄鉤で杉の丸太を流している。沔陽(めんよう)をあとに、わたしたちは車で西へ二〇〇キロ余も走って、宜昌市にやってきた(ここで数万の労働者が長江をせきとめ、今のところ中国最大の葛洲壩(ゴーチューバー)水力発電所を建設中である)...