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Your search : [ author:文·李順然え·于叔方] Total 37 Search Results,Processed in 0.083 second(s)
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31. 野菜談議
「……わたしはむしろ北京の花が多く、野菜が多く、果物の多いところが気にいっている。……青菜、白菜、ふじ豆、枝豆、胡瓜(きゅうり)、ほうれん草などなど……。雨のあとには、韮(にら)の葉に雨ではねた泥がついていることもしばしばある。八百屋さんの店先の色どりは詩のように美しい……」―北京に生まれ一生北京を描き続けた作家老舎(一八九九~一九六六年)のエッセイ『北京を想う』の一節です。これは老舎が一九三六年
Author: 文·李順然 え·于叔方 Year 1994 Issue 6 PDF HTML
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32. 外来語
前回は胡瓜(きゆうり)、西瓜(すいか)など中国からその名称表記の漢字とともに日本に渡った野菜や果物をめぐるお話でしたが、北京の果物屋さんでは逆に日本から中国に渡ってきたと思われる漢字の名称表記をみかけます。店先にならべられたリンゴの横には「国光(グウオグウアン)」、モモの横には「大久保(ダアチユウバアオ)」、ブドウの横には「巨峰(ヂユイフオン)」……とかかれた札がついているのです。その漢字の名称表
Author: 文·李順然 え·于叔方 Year 1994 Issue 7 PDF HTML
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33. 第四十四 話国字と略字
「『人·文字·暮らし』のカットの繁体字と簡体字、毎号面白く拝見しています。ページをひらくとまず繁体字の方を手で隠してなぞを解くような気持で簡体字を当てるのですが、正解率は五、六十パーセントといったところです」東京の森田一茂さんからいただいたお手紙の一段です。中国の簡体字には日本の方を戸惑わせるようなものもあるようですが、日本の国字(日本で造った漢字)や略字も中国人を戸惑わせ、ときにはちょっとしたハ
Author: 文·李順然 え·于叔方 Year 1994 Issue 8 PDF HTML
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34. 足球
「足球(ヅウチユウ)」とはサッカーのこと、これは第十六話「門球」でも書きましたね。中国ではテレビのスポーツの実況中継でだんトツの視聴率を保っているのはサッカーで、国内での試合はもちろん、十二月の東京の風物詩のようになっている「トヨタカップ」も毎年実況中継されていますし、去年はJリーグのハイライトも放映されていました。中国チームの外国での試合のもようは時差の関係でテレビの中継が真夜中になることもある
Author: 文·李順然 え·于叔方 Year 1994 Issue 9 PDF HTML
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35. 屋号
都として長い歴史をもつ北京には老舗が少なくありません。今回は、こうした老舗のなかからいまも現役として生き続けている何軒かの料理屋さんの屋号をめぐるお話しです。北京料理というとまず頭に浮かぶのは姥鴨(カオヤ)―北京ダックでしょう。この北京ダックの老舗「全聚徳」が店びらきしたのは清の同治三年(一八六四)のことです。「全聚徳」の初代の店主楊全仁はもともと屋台でアヒルやニワトリを売っていました。いくらか小
Author: 文·李順然 え·于叔方 Year 1994 Issue 10 PDF HTML
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36. 漢字への甘え
北京の胡同(横町)―手帳をひらきボールペンをとりだし漢字を並べて筆談でうなずきあう中国と日本のおとしより。東京の地下鉄の切符売場―漢字の駅名の表示をみながら切符販売機にお金を入れる中国から来たばかりのわかもの。こんな風景をみるたびに「漢字は便利だなあ。いまも中日交流の橋わたしを務めている」と実感するのです。でも、こんな漢字の便利さに甘えていると失敗することもあります。よく失敗談の例にあげられるので
Author: 文·李順然 え·于叔方 Year 1994 Issue 11 PDF HTML
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37. 四十八手
日本の相撲に「四十八手」ということばがありますね。拙文「人·文字·暮らし」も回を重ねていつのまにか四十八話、わたしの手のなかの技(わざ)も出し尽くした感じです。振り返ってみると、四十八話のうち技(わざ)ありの感触があったのはほんの数回、あとは技(わざ)はかけたが奏功せず、つまり黒星で読者の皆様の貴重な時間を無駄にしてしまったのではと恐縮しています。でも、わたしにとってはこの四十八カ月、「人·文字·
Author: 文·李順然 え·于叔方 Year 1994 Issue 12 PDF HTML