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Your search : [ author:写真佐渡多真子
文 原口純子] Total 4070 Search Results,Processed in 0.112 second(s)
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2341. 海辺のしきたり 福建篇(下)
「封建的なあたま民主的なおなか」山が多く、地形が複雑であるためだろうか、福建は中国でも方言がもっとも多くもっとも複雑な省である。山ひとつ、水ひとつ隔てただけで、もうしゃべる言葉がちがう。方言の違いは、往々にして習俗の違いをともなう。泉州市から三〇キロしか離れていない恵安県の漁村では女性の服装がとても変わっていた。紺色の右前の上衣はきつくて短かく、おヘソがのぞいているほどであるが、黒い絹地のスラック
Author: 文·丘桓興 カメラ·魯忠民 Year 1984 Issue 1 PDF HTML
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2342. 「武松 虎退治の舞台」―景陽崗
湖に囲まれた古城―聊城季節は「霜降(そうこう)」(二十四節気のひとつ。陽暦十月二十三、二十四日頃にあたる)を過ぎ、ちょうど秋冬の境といった頃おい、シベリアから南下した寒気団が、毎日のように華北の大地を襲った。吹き荒れる狂風は、中庭といわず大通りといわず、地面いっぱいに落葉を吹き散らかす。気温が急に下がって、老人や町へ出てくる農民も綿入れの厚ぼったい上着に身を固めて、すっかり冬じたく。十月二十四日、
Author: 文· 沈興大 カメラ·劉世昭 Year 1984 Issue 2 PDF HTML
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2343. ついに黄河を渡る
運河と黄河の合流点―張秋鎮陽谷(山東省陽谷県)の町では獅子楼を見たあと、県の招待所に戻って一休みした。招待所の廊下を歩いていると、小柄でやせてはいるが、みるからに頭の切れそうな若者とはち合わせになった。若者は自分から浙江弁(浙江省の方言)で話しかけてきた。「あの、あなたも南方のかたなんでしょう」「どうしてお分かりです」とわたし。「お話なさっているところを耳にはさみましてね、どうも南方の訛(なまり)
Author: 文· 沈興大 カメラ·劉世昭 Year 1984 Issue 3 PDF HTML
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2344. シルクロードに生きる 甘粛篇(上)
中国の西北部に位置する甘粛省は、古代のシルクロードの通り道である。最近の旅行で記者は、黄河を羊の皮でつくったいかだで渡ったり、ラクダに乗ってゴビ砂漠を跋渉したりして、多くの情趣に富む当地独特の風情を楽しんだのだった。羊の皮のいかだで黄河を渡る甘粛省の省都蘭州(ランチュウ)は、中国の西北部の交通の中枢であるため、毎日、北京から旅客列車四本が出ている。黄河は蘭州市を流れているが、黄河上に船をつなげた浮
Author: 文 ·丘桓興 カメラ·魯忠民 Year 1984 Issue 3 PDF HTML
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2345. 英雄好漢(つわものども)の夢のあと―梁山泊
梁山·虎頭峰に登る蔡楼港の渡し場で上陸したわたしたちは、別れ難い気持ちで黄河を後にし、大連河の西岸に沿ったアスファルト舖装の道路を南に向かった。一〇キロほどペダルを踏むと、前方の地平線上に、遠く群山が見えてきた。たまたま肩を並べて自転車を走らせていた一人の農民が「あれが『水滸伝』の梁山ですよ。あの由砦に一〇八人の英雄が集結したんです」と教えてくれた。梁山と聞いて、わたしも劉君も早起きして眠かった目
Author: 文· 沈興大 カメラ·劉世昭 Year 1984 Issue 4 PDF HTML
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2346. 砂漠の暮らし ラクダとともに
ラクダは“砂漠の舟”とよばれていた。一、二千年前、ラクダの鈴の音とともに、シルクロードのキャラバンは、中国の絹織物、鋼鉄、茶、陶磁器を西域に運んでゆき、中央アジア、アラブ諸国、ヨーロッパから玉石、真珠、薬材、香料などを持ちかえって来たのである。今では、中国と外国との交流面で汗馬の功労を立てたラクダ隊は、汽車、トラック、飛行機にとってかわられたけれども、甘粛省内の民勤県では、用水路の傍らで水を飲んだ
Author: カメラ·魯忠民 文·丘桓興 Year 1984 Issue 4 PDF HTML
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2347. 李白 痛飲の地―済寧
“酔いガニ漬”に舌つづみ十一月十五日、日曜日。朝起きてみると、外は一面の深い霧におおわれていた。早々に朝食をすませ、荷をととのえたわたしたちは、「水脊」·南旺を後に、ふたたび南下の旅の途についた。前方がかろうじて望まれるだけで、道路の左右両側は、村も田畑もすっぽりと霧につつまれている。自転車のペダルを踏んではいるのだが、まるで雲のなかを漂っているような感じだった。時々、鶏の鳴き声や犬の吠(ほ)え声
Author: 文·沈興大 カメラ·劉世昭 Year 1984 Issue 5 PDF HTML
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2348. 敦煙に住む 甘粛篇(下)
民勤県から西へ約千キロ行ったところがシルクロードの要衝、敦煌である。私たちはこの敦煌をおとずれ、古くから伝わる民俗の跡を探ることにした。茫々たる砂漠を車で走りぬけるうち、突然目の前に、緑洲のひろがりが出現した。ああ、長いあいだ憧れていた敦煌―有名な古代芸術の宝庫についたのだ!その興奮で、旅のけだるい気持ちはたちまち吹き飛んでしまった。莫高窟壁画にみる古今の風俗三六六年に最初の石窟が開削されてから、
Author: 文 ·丘 桓 興 カメラ·魯 忠 民 Year 1984 Issue 5 PDF HTML
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2349. 山東一の湖 微山湖に遊ぶ
水牛と“初対面”―魚米の里、魚台県済寧市をあとにした大運河は、南四湖の西岸にそって曲がりくねりながら南下する。済寧を発つ前日、次の運河の埠頭である魚台県まで、定期船が出ているという話を耳にしたわたしたちは、ここはひとつ自転車の旅は置いて船で運河を下ることにした。水路を行けば大運河の風光を船上からゆっくりと眺めることもできるというものだろう。十一月二十一日(土曜日)。わたしたちを乗せた「魯躍号」が済
Author: 文· 沈興大 カメラ·劉世昭 Year 1984 Issue 6 PDF HTML
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2350. 東北農村の春節 吉林篇(上)
中国人にとって、春節(旧正月)は新年(新暦の正月)よりもずっと大事なものである。都市の場合、各政府機関、工場など、新年の休みは一日だけで、春節には三日間の休みになる。農村では、新年になってもほとんどそれらしい雰囲気が見られないが、春節には前後一カ月余もお祭りさわぎがつづく。それというのも春節は三千年以上前からの行事なのである。辛亥革命後の一九一二年、中国は西暦紀元を採用し、以後、新暦の元旦を新年と
Author: カメラ·魯忠民 文·丘桓興 Year 1984 Issue 6 PDF HTML