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Your search : [ author:陶承述 整理 工人出版社え 侯逸民] Total 107 Search Results,Processed in 0.104 second(s)
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11. わたしの一家
そうしてようやくのことで湖南(フーナン)までたどりついた日のことです。日本の飛行機の爆撃と掃射にあいました。もう歩けなくなつたわたしたち何人かのものは、通りがかりの小型トラツクをとめて、しやにむに乗り込みました。そうしてみながホツとしたのも束の間、突然車が動かなくなつてしまいました。「駄目だ!重量過重だ。誰かおりないと車は動かんよ」運転手はもつたいぶつた口調で言いました。頭の上では飛行機がブンブン
Author: 整理·工人出版社 え·侯逸民 Year 1960 Issue 12 PDF HTML
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12. わたしの一家
立安(リーアン)は本紋(ペンウエン)の手をひいて向かいの歩道に横つとびにとんで行つた。後をふり返つた本紋はアツと声をあげた。「兄さんツ、劉(リユウ)さんが倒れたわ!」兄妹はふたたびとつて返すと劉さんを救い出した。が、劉さんはすでにこときれていた。労働者たちはいつたん横町にしりぞき、散りぢりになつた人びとをあつめて隊伍をたてなおすと、赤旗を先頭にたててふたたび大通りに突つ込んで行つた。「ひどい犠牲者
Author: 整理工人出版社 陶承述 え 侯逸民 Year 1960 Issue 9 PDF HTML
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13. 老三(ラオサン)と地主
あるところに百姓のおじいさんがすんでいました。おじいさんには三人の子供がいました。おじいさんと子供たちは朝は早くから夜おそくまで働きましたが、くらしはいつまでたつてもらくになりません。ある日、おじいさんは三人の子供をよんでいいました。「これではとてもくらしていけそうもない。きけば村の地主の屋敷で作男を一人ほしいといつているそうだから、お前たちのなかから誰か一人いつて働いてみないか」そこで、みんなで
Author: 整理·應崇恭 Year 1959 Issue 2 PDF HTML
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14. 馬頭琴の話
蒙古の牧人たちの愛している楽器に、棹のはしに馬の頭のかざりのついた馬頭琴(マートウチン)という、胡弓を大きくしたような楽器があります。ところで、この馬頭琴は、チヤハール草原のスへとよばれる牧童がつくり出したものだといわれています。スへは小さい時から両親に死にわかれ、お婆さんの手ひとつでそだてられました。スへとお婆さんは二十匹あまりの羊を飼つて、それでくらしをたてていました。それで、每日羊の番をする
Author: 整理·塞野 え·虹霖 Year 1959 Issue 1 PDF HTML
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15. ムク犬王子
何千年かまえのむかしプーラーという国があつた。プーラーは大きな国で、たくさんの人が住んでいた。この国ではこくもつをつくらず、人びとは牛や羊の肉をたべ、その乳をのんでいた。ただ国王の宮殿にだけは果物の木が何本かあつて、国王や大臣たちだけはそのクダモノをたべることができた。国王の子のアーツーは、かしこくて、勇氣のある、善良な王子であつた。若い王子は山の神のリウダのところにこくもつというもののタネがあつ
Author: 整理·帕金 え·虹霖 Year 1959 Issue 4 PDF HTML
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16. 六人兄弟
むかしむかし、あるところに、かしこい働きものの娘がおつた。その娘の仕事のしぶりのすばやいことといつたらなかつた。朝起きて生麻の緖を蒸して、それを裂いて、糸によつて、ねり絹のようにやわらかな麻布に織つて、さてその麻布で飯びつをつつんで、野良へ持つていつても、畑に出た人たちの朝飯にちやんと間に合うほどであつた。娘の名は遠近に知れわたつておつたから、嫁にもらいたいという人がひきもきらずにやつて來て、娘の
Author: 整理·吉雲 え·虹霖 Year 1959 Issue 8 PDF HTML
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17. とんち男と高利貸
むかし、大金持の旦那がいた。大変なしみつたれで、命よりも金の方が大切だという男だけに、その男から金を借りると、目の玉がとびでるほど高い利子をとられた。おまけに利子が利子をうんで、またたくまに、田畑や家を賣りはらつても、娘を賣つても返しきれないほど、借金をしよいこまねばならなかつた。びんぼうな村人たちは、ほとんどこの高利貸からひどい目にあわされ、誰ひとりとしてその高利貸をうらまぬものはなかつた。なん
Author: 整理·華仁 え·虹霖 Year 1960 Issue 1 PDF HTML
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18. 白嘎拉(パイカラ)山の話
むかし、大興安嶺(ターシンアンリン)の白嘎(パイカラ)拉山(シヤン)のふもとはすばらしい狩場であつた。けれどもオロチヨンの狩人(かりうど)たちは「あそこへは行けん。あそこには瑪猊(マーニー)がいる」といつて誰も近づかなかつた。瑪猊というのは、オロチヨンの人たちのあいだに語りつたえられてきた人を食う猛獣である。けれどもまだ誰も瑪猊を見たものはなかつた。ここにある狩人の夫婦がいて、二人は瑪猊が出るとい
Author: 整理·古蘭 え·虹霖 Year 1960 Issue 4 PDF HTML
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19. グナンの虎退治
むかし、ある汗(カーン)の国に、まずしい牧(アラト)人が住んでいた。妻は三人の子供を生んだが、みんな死んでしまつた。それで夫婦はたつた二人でさびしくくらしていた。ある年の冬のこと、牧人の妻は思いがけなく男の子を生んだ。夫婦はたいへん喜んだが、さてどうしてこの子を育てたものかと二人は眉をよせた。まずしい牧人夫婦の家には、牝牛一頭と山羊二頭しかいない。子供を育てるといつても、これではしようがない。二人
Author: 整理 塞野 え·墨浪 Year 1960 Issue 6 PDF HTML
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20. エンマ大王の最期
むかあし、むかし、ある村に一人の貧乏な男がおつたと。苗字を劉(リユウ)といつて、次男坊で、目から鼻にぬけるほど頭のよい、すばしこい男であつたから、村の衆はみんな、その男を「劉二仙(リユウアルシエン)」と呼んでおつた。劉二仙は四十そこそこの歳であつたが、ヒゲにはもう白いものがまじつておつた。話かわつてこちらはエンマの大王である。人間を地獄におくることばかり考えておるこのエンマの大王は、ある日自分の役
Author: 整理 嚴兵 え 李玉 Year 1960 Issue 10 PDF HTML