むかあし、むかし、ある村に一人の貧乏な男がおつたと。苗字を劉(リユウ)といつて、次男坊で、目から鼻にぬけるほど頭のよい、すばしこい男であつたから、村の衆はみんな、その男を「劉二仙(リユウアルシエン)」と呼んでおつた。劉二仙は四十そこそこの歳であつたが、ヒゲにはもう白いものがまじつておつた。話かわつてこちらはエンマの大王である。人間を地獄におくることばかり考えておるこのエンマの大王は、ある日自分の役...
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むかあし、むかし、ある村に一人の貧乏な男がおつたと。苗字を劉(リユウ)といつて、次男坊で、目から鼻にぬけるほど頭のよい、すばしこい男であつたから、村の衆はみんな、その男を「劉二仙(リユウアルシエン)」と呼んでおつた。劉二仙は四十そこそこの歳であつたが、ヒゲにはもう白いものがまじつておつた。話かわつてこちらはエンマの大王である。人間を地獄におくることばかり考えておるこのエンマの大王は、ある日自分の役...