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Your search : [ author:文·李順然(リーシュンラン) 題字·絵 于叔方(ユィシューファン)] Total 49 Search Results,Processed in 0.101 second(s)
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11. 「弱虫」の願い
十月一日は中華人民共和国の建国記念日(国慶節)、今年は建国五十周年にあたる。北京の街には、なにかうきうきとしたようなものが感じられる。北京市民が首を長くして待っていた天安門前を通る地下鉄の東西線も十月一日には全面開通するという。天安門前の広場も、この祝日のメーン会場としての最後のお化粧にいそがしい。こうした北京の街を行く市民たちの表情には、五十年―半世紀の北京の歩みを、そして自分の歩みを振り返り、
Author: 文·李順然(リーシュンラン) 題字·絵 于叔方(ユィシューファン) Year 1999 Issue 9 PDF HTML
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12. 秋の北京散策
いつだったか法源寺という北京の古刹について触れたが、法源寺は北京の中心部、例えば王府井の北京飯店からタクシーで二十分足らずの市街地のなかにあるお寺だ。唐の貞観十九年(六四五年)に建立されたというから、千三百年以上の歴史をもつ古刹である。ここには、唐代の石像や石碑が残されているほか、金に捕えられた宋の皇帝欽宗が軟禁された所としても知られている。もともと憫忠寺と呼ばれていたが、清の時代に法源寺と改名さ
Author: 文·李順然(リーシュンラン) 題字·絵 于叔方(ユィシューファン) Year 1999 Issue 10 PDF HTML
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13. クロスワード·パズル
北京の中心から南西へ五十キロの地点にある周口店、今から五十余万年前の人類北京原人シナントロプスペキネンシスの化石は、ここで発掘された。北京一帯のあちこちでは北京原人以来の五十余万年にわたって人類がこの土地で綿々と断えることなく暮らし続けてきたことを示す遺跡や文物が出土している。また、史書にもこれを裏づける多くの文字が見られる。五十余万年のあいだのあのとき、このときに北京に現われたあの人物、北京で起
Author: 文·李順然(リーシュンラン) 題字·絵 于叔方(ユィシューファン) Year 1999 Issue 11 PDF HTML
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14. スクラップブックから
前回では、およそ三千年前に北京に都を置いていた燕の亡命者が日本に渡ったかもしれないという『読売新聞』の記事にふれたが、わたしのスクラップブックの同じページには『朝日新聞』(一九九三年五月十三日)の「50万年前、日本にも原人」という見出しの記事も貼られている。この記事は宮城県の高森遺跡を五十万年前のものと推定した調査結果についてのものだが、このなかで国際日本文化研究センターの埴原和郎教授の次のような
Author: 文·李順然(リーシュンラン) 題字·絵 于叔方(ユィシューファン) Year 1999 Issue 12 PDF HTML
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15. 二十一世紀へ遺す言葉
去年の十月のことだ。国慶節(中華人民共和国の建国記念日)で賑わう北京、その中心にある北海公園の池のほとりの宮廷料理「御膳(ユイシヤン)」で一風変わった「同窓会」が開かれた。一九七二年の田中角栄首相訪中取材の日本側放送共同機構の秘書長役を務めたNHK(日本放送協会)の郷冶光義さんのご夫人同伴の北京訪問を機に、当時ともに働き、そのなかで学びあい、助けあい、そしていい意味で競いあった中国側のスタッフが集
Author: 文·李順然(リーシュンラン) 題字·絵 于叔方(ユイシューファン) Year 1998 Issue 9 PDF HTML
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16. 好きなこと
アトランタオリンピックの女子マラソンで銅メダルを手にした有森裕子さん、その喜びを「自分で自分をほめたいと思った」と語ったという。この言葉は日本の高校の英語の教科書に採用されているそうだ。「This time I want to praise myself !」と表現されているのだが、いい言葉だし、いい翻訳だと思う。この記事を雑誌で目にしながら、ふと「おれも自分をほめてやりたいな」という気持ちが頭を
Author: 文·李順然(リーシュンラン)題字·絵 于叔方(ユィシユーファン) Year 1998 Issue 12 PDF HTML
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17. (一)題未定
六月のことだった。足の手術(静脈瘤(りゆう))を終えて休んでいるわたしのところに、『人民中国』雑誌社の楊哲三副社長から電話があった。「来年の『人民中国』について相談したいんだけど……社の方に来てもらえる……」「足の方がまだあまりよくないし、もう言いたいこと全部しゃべっちゃってるから……」「いや、車で迎えに行くから。李さん、うちの顧問でしょ……」。そう、たしか二、三年前に口頭だったが『人民中国』社の
Author: 文·李順然 題字·絵 于叔方 Year 1995 Issue 12 PDF HTML
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18. 初日の出
十年も前のことになる。一九八五年の一月一日、わたしは北京郊外の万里の長城の上に立って初日の出を迎えた。天気予報では北京の気温は零下十度と伝えられていたが、市内から北へ五〇キロ、山の上にある万里の長城で肌に感じる寒さはもっと厳しいものだった。日の出は七時三十六分と聞いていた。七時をちょっと回ったころに万里の長城に着く。東の空が眺められる一角に陣取り、凍える手でウイスキーを傾けながら日の出を待つ。七時
Author: 文·李順然 題字·絵 于叔方 Year 1996 Issue 1 PDF HTML
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19. 春節
中国人の暮らしの知恵といえば、新暦と旧暦の巧みな使い分けもその一つだろう。普段は新暦で進められていく暮らし、だが一年に何回か旧暦が人々の暮らしに大きく顔をだしてくる。頭をもたげてくる。春節(旧正月)、端午の節句、中秋の節句……などの前後だ。こうした旧暦で祝われる祝祭日は、どちらかというと単調な新暦の暮らしの流れに、家族の絆(きずな)、故郷の香(かお)り、自然の采(いろどり)、歴史の歩み……といった
Author: 文·李順然 題字·絵 于叔方 Year 1996 Issue 2 PDF HTML
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20. 早春
「如春堂閑談」というタイトルをつけた以上、春を迎えて春に触れないわけにはいくまい。五日間の日平均気温が十度から二十二度までを春、秋とする規準でいくと、北京の春は四月一日から六月四日までの六十五日間となる。だが、これはあくまでも寒暖計にあらわれた春、いわば機械的なものだ。北京市民の眼に、心に映る春は、柳が緑の芽をふき、迎春花が黄色い花をつけ、桃がピンクの花をひらき、白木蓮が白い花をふくらませるころ、
Author: 文·李順然 題字·絵 于叔方 Year 1996 Issue 3 PDF HTML