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Your search : [ author:語り手 劉鳳祥
え 李玉紅] Total 916 Search Results,Processed in 0.104 second(s)
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821. 獄中の王若飛【第11回】
絶食闘争われわれと〈普通犯〉との間柄は、ますます親しいものになった。日常の話しあいのなかで、獄内での臭い飯への不満がさかんにぶちまけられた。食事はふつう、臭い粟めしだけで、おかずなしだった。たまに出るおかずは、すえてすっぱくなった大根の葉がほんのわずかだった。おまけにおかず係の老劉(ラオリユウ)という看守は、アヘン中毒者みたいな青い顔をし、からだじゅうに梅毒の瘡(かさ)ができていた。おかずをわける
Author: 喬明甫(チヤオミンフー) え·顧炳鑫(クーピンシン) Year 1964 Issue 9 PDF HTML
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822. 獄中の王若飛【最終回】
出獄全国人民のあいだで抗日の気運がもりあがり、抗日統一戦線がつくられると、奸智にたけた閻錫山(イエンシーシヤン)はうわべだけでもつくろうために、抗日に参加することを表明した。じつは〈抗日〉の名のもとにわれわれ〈政治犯〉を抱きこんで、勢力拡大をはかろうというこんたんだったのだ。かれは王若飛(ワンローフエイ)同志のもとへいくども人をさしむけ、出獄後は偽山西(シヤンシー)省政府の要職に着くようにとすすめ
Author: 喬明甫(チヤオミンフー) え·顧炳鑫(クーピンシン) Year 1964 Issue 10 PDF HTML
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823. 清明節の雨
一清明節のあとに降りだした雨が、そぼそぼと降りつづいていつ止むという気配もない。おんどりが三度ときを告げたとき、小陳岩(シヤオチエンイエン)生産隊長の陳明遠(チエンミンユワン)じいさんは、もう床のうえに起きあがっていた。夜どおし降りつづいた雨のため、じいさんはまんじりともしなかった。じいさんが眠れなかったわけは、草ぶき屋根の雨漏りのせいではなかった。生産隊の四〇ムーの綿畑が心配でならなかったのだ。
Author: 李准(リーチユン) え·翁乃強(ウオンナイチヤン) Year 1964 Issue 10 PDF HTML
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824. 新兵と分隊長
ひるすぎ、荷物をつんだ四頭だての馬車が、連隊本部を出発した。御者は肩につぎの当ったふるい綿入れ上着を着こみ、破れかかった毛皮の防寒帽をかぶっている。下におろした帽子の耳あてが、しきりと風にあおられている。その浅黒い顔は、ふるい軍服がよく似合い、いっそうがんじょうでたくましく見える。正門を出てから御者の兵士が荷車に立って鞭をあてると、馬車は大道ぞいに、副業基地をめざして駆けはじめた。そのとき、御者の
Author: 阿斯爾(アスル) え·劉勃舒(リユウポーシユウ) Year 1964 Issue 11 PDF HTML
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825. 帰省
戦車兵の夏国佑(シヤクオユウ)に、二十五日の帰省休暇がおりた。その通知をうけると、かれはしきりに頭をかいた。あと二十五日もすると、中隊で攻撃演習がはじまるのだ。帰りがおそくなるとそれにまにあわなくなるかもしれない。そこで、さっそく次の日に出発しようと思ったが、帰るついでに同郷出身の戦友たちに何か家の方に用事がないか聞いてまわらねばならなかったので、出発をすこしおくらすことにした。かれといっしょにこ
Author: 徐懷中(シユイホワイチユン) え·高山(カオシヤン) Year 1964 Issue 12 PDF HTML
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826. 嫁と姑(よめしゆうとめ)
一とんがらしおばさんの家に嫁さんが来た。物好きなおかみさん連中は、さっそくかげであれこれとうわさをはじめた。「見てごらん、とんがらしおばさんと、あのおてんば嫁さんとがいっしょになったんだもの、今にふたりで角(つの)つきあわせて、いざこざがたえないようになるから」そんなうわさが耳に入っても、とんがらしおばさんは、「なあに、若いもんは、すこしは、おてんばなほうがいい。わたしは、しゃべったり笑ったりする
Author: 李青(リーチン) え·沈延太(シエンイエンタイ) Year 1965 Issue 1 PDF HTML
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827. 少年時代の遊撃戦生活
革命をやるんだ明日は一九四八年の元旦だ。天気はかなり冷えこんだが、広東(クワントン)省東北部の梅(メイ)県にある小都(シヤオトウ)という山村は、にぎやかにわきたっていた。ドラや太鼓がなりひびき、爆竹の音のなかには、このあたりでむかしから神様を迎えるのに使った〈銃子(チヨンツー)〉の、鉄砲のような音がまじっていた。兵士たちの歌声、村びとたちの歓声……これらの音や声がいりまじって、こんもりとした竹林を
Author: 廖振(リヤオチエン) え·沈延太(シエンイエンタイ) Year 1965 Issue 1 PDF HTML
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828. かもめ
五月のある夕方、わたしは定海(テインハイ)から船で嵊泗(シエンスー)列島へむかった。船室には二、三十人の客がのっていた。ほとんど地元の漁民だったが、そのなかに、海軍の制服を着た同志が五人まじっていた。それは艦隊の文工団の人たちで、とても快活な人たちだった。船にのるとすぐに歌ったりおどったりし始めて、船の中は楽しい気分にあふれた。やがて、いっしょにのっていた漁民たちも声をあわせて歌いだしたので、船室
Author: 峻青(チユンチン) え黄鍾駿(ホワンチユソチユソ) Year 1965 Issue 2 PDF HTML
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829. 少年時代の遊撃戦生活(二)
深夜の強行軍蕉嶺(チヤオリン)での戦いは、福建(フーチエン)、広東(クワントン)、江西(チヤンシー)の三省をゆるがし、境界地区の人民や、各地の遊撃隊の志気を大いにたかめた。かんかんに怒った反動軍の頭目の徐思宗(トウスーツオン)は、すぐに軍隊をまわして仕返ししにきた。蔣介石(チヤンチエシー)は涂思宗と喩英奇(ユイインチー)にせんもんに「十文字討伐」をおこなわせるために、わざわざ高級参謀の張光前(チヤ
Author: 廖振(リヤオチエン) え·沈延太(シエンイエンタイ) Year 1965 Issue 2 PDF HTML
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830. 丁香さん
一丁香(テインシヤン)が公社の保管係の代理になって五日もたたないのに、もうあちこちから苦情がでた。飼育係の董四(トンシー)じいさんは隊長にいった。「保管係をかえてくれんかの、あれは手におえん!」生産班長の楊五(ヤンウー)も、隊長にいった。「村に人がおらんわけでもないのに、えりにもえってあれにやらせんでもよかろう。はやくかえたほうがいい」そこで隊長はほかの社員に意見をきいてみた。すると、「あれのおや
Author: 浩然(ハオラン) え·黄鍾駿(ホワンチユンチユン) Year 1965 Issue 3 PDF HTML