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Your search : [ author:語り手 劉鳳祥
え 李玉紅] Total 916 Search Results,Processed in 0.098 second(s)
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811. 獄中の王若飛
はがねの心冬がやってきた。塞外の気候はつねに零下二十数度まで下がった。獄房には火の気もなく、夜のしとねはつめたく、同志たちは寒さにこごえて死線をさまよっていた。ことに足かせをはめている同志などは、かせをはめるとズボンをはくのにこまるので、ズボンのまたを裂いてひもでしばっていたが、こうすると寒風が吹きこみ下腹がすっかり冷えきって、まったくたまったものではない。食事はまい日二食、あいかわらずのアワ飯で
Author: 楊植霖(ヤンチーリン) え·顧炳鑫(クービンシン) Year 1964 Issue 2 PDF HTML
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812. 知音(ちいん)
わたしは所用で某大学理学部の党総支部書記にあいにいった。あいにく実験室の方へいっているということで、やむなく構内の林をぬけて帰りかけようとすると、築山のふもとのベンチのそばにたたずんでいる人の姿が目にうつった。背たけはさして高くないがたいへん健康そうなようすである。横あいから顔はさだかでなく、口にくわえたパイプが見えるだけだ。だれかがこの静かなところで、むずかしい科学上の問題でも考えているのにちが
Author: 宗璞(ツオンプー) え·姚有多(ヤオユウトー) Year 1964 Issue 2 PDF HTML
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813. 獄中の王若飛【第5回】
筆をにぎって闘う日光浴にでられるようになった王若飛(ワンローフエイ)同志は、そこで一部の囚人仲間と知りあい、かれらに教育工作をすすめることができたが、ここでは接触できる入数がかぎられているうえ、時間もわりあいみじかかった。その他の多くの時間は人と隔離された小部屋にとじこめられていたので、それ以外の囚人仲間にたいして宣伝をすすめることは困難だった。そこでかれは、口で宣伝するほかに、筆という武器をとっ
Author: 楊植森(ヤンチーリン) え·顧炳鑫(クーピンシン) Year 1964 Issue 3 PDF HTML
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814. 世話好きの母さん
母さんはまだかえらない。小蓮は袖をまくりあげて、洗濯をしていた。家はカワラぶきの平屋で、蛇口は窓のそとにあった。かの女は洗濯しながら音楽をきくため、ラジオを窓のところにもってきている。ラジオはちょうど、上海(シヤンハイ)のさいきんの音楽会の録音放送をしていた。小蓮(シヤオレン)は合唱団のメンバーとして、この音楽会でうたった。いま、かの女は自分たちが歌った〈雷鋒(レイフオン)の歌〉をきこうと、胸をお
Author: 趙自(チヤオツー) え·姚有多(ヤオユウトー) Year 1964 Issue 3 PDF HTML
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815. 獄中の王若飛【第6回】
溶鉱炉こうした一連の闘争のなかで、監獄当局は王若飛(ワンローフエイ)同志にますます気が許せなくなり、ちえをしぼって対策をねった。韓漸逵(ハンチエンクイ)はこういう意見を出した。黄敬斎(ホワンチンチアイ)のような〈政治犯〉には強硬手段をとってもきき目がないから、上級の考えにもとづいて〈懐柔政策〉をとった方がよい。それはつまり、表面では〈おだやかに根気よく〉、かげでは〈長期にわたって用心する〉というの
Author: 楊植霖(ヤンチーリン) え·顧炳鑫(クーピンシン) Year 1964 Issue 4 PDF HTML
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816. 獄中の王若飛【第7回】
三毛の入党王若飛(ワンローフエイ)同志に監視をつける監獄当局の計画はつぎつぎに失敗した。そのうえ韓漸逵(ハンチエンクイ)みずからのり出してみたものの、これまた痛撃をうけてしまった。敵はひじょうに狼狽した。そこへ、蒙古族の三毛(サンマオ)という青年をいれかえてみてはと提案する者がいた。第一に、三毛は民族意識のたいへん強い蒙古族の人間である。少数民族を差別待遇する反動派の民族圧迫政策によって、民族間の
Author: 楊植霖(ヤンチーリン) え·顧柄鑫(クーピンシン) Year 1964 Issue 5 PDF HTML
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817. 獄中の王若飛【第8回】
黄平の裏切り行為を批判するある日わたしたちが獄房でむだばなしをしていると、仲間の一人が鉄窓によじのぼってきて、外から小さな紙玉をなげいれた。わたしがうけとって、ひらいてみると、その紙には小さな文字がぎっしり書きこまれていた。みごとな筆跡からそれは王若飛(ワンローフエイ)同志の書いたものだと解った。わたしたちは待ち望んでいたので一気に読みくだした。文章の冒頭は、明代の民族英雄于謙(ユイチエン)の焚石
Author: 楊植霖(ヤンチーリン) え·顧炳鑫(クービンシン) Year 1964 Issue 6 PDF HTML
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818. 朝焼けをむかえて
于小眉(ユイシヤオメイ)は省立の農業技術学校を卒業すると、数日間家にいて、すぐに県城(まち)の近くのトラクターステーションに配属されることになった。明け方に着く汽車をおりて目的地につくと、職場の人たちはみな除草にでかけており、所長さんが一人でこれからの仕事についていろいろと話してくれた。所内の状況についての紹介がすみ、さて、かの女が具体的にどんな仕事につくかということになると、所長さんは、どうした
Author: 崔璇(ツイシワン) え·翁乃強(ウオンナイチヤン) Year 1964 Issue 6 PDF HTML
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819. 獄中の王若飛 【第9回】
胸うつ手紙出獄の日があと数日にせまったので、王若飛(ワンローフエイ)同志ともういちど会って話をしたかったが、残念なことにその機会がなかった。ある日の〈日光浴〉の時間に、手洗いの入り口で王若飛同志と会ったが、あたりに人が多くてこみいった話はできなかった。わたしは王若飛同志に、かんたんに言った。「近々出ますが、何か用事がありますか」王若飛同志はちょっと思案し、すぐ、「叔父が来ている。手紙を渡したい」「
Author: 楊植霖(ヤンチーリン) え·顧柄鑫(クービンシン) Year 1964 Issue 7 PDF HTML
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820. 獄中の王若飛
新しく来た〈政治犯〉一九三六年夏のある昼さがり、山西(シヤンシー)省太原(タイユワン)にあった陸軍監獄に、黄敬斎(ホワンチンチアイ)という〈政治犯〉が押送されてきた。黄敬斎というのは王若飛(ワンローフエイ)同志の変名だった。かれは獄房でも、足かせをはめられていた。獄中生活にすっかり慣れていたかれは、獄舎に入るとすぐに、獄中の同志たちの状況を理解しようとして、われわれにつぎつぎと話しかけてきた。はじ
Author: 喬明甫(チヤオミンフー) え·顧炳鑫(クーピンシン) Year 1964 Issue 8 PDF HTML