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Your search : [ author:■文と写真 村山孚] Total 53 Search Results,Processed in 0.101 second(s)
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21. 「天高馬肥」と「秋高気爽」
実は、この稿を書いているのは八月中旬だが、ことしの北京は七月いっぱい、ひどい暑さがつづいた。なんでも四十年ぶりとかで、湿気が多く、むしむしして寝つかれぬ夜が一カ月近くつづいた。各機関では退勤時間を情況に応じてくりあげ、またジュースなど清涼飲料を支給するようお達しが出た。ちなみに、中国南部では四十度以上になると休みになるとか聞いた。たしかに昼寝でもしないと、からだがもたない。八月に入って、ようやく北
Author: 村山 孚 Year 1981 Issue 10 PDF HTML
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22. ああ、冬がくるのだなァ
日本の大都市では万事が便利になったが、そのかわり季節感が薄れてしまった。冬でもそんなに厚着をしないですみ、八百屋では季節を問わずなんでもある。だが、その反面、衣替(ころもが)えで、ちょっとシャキッと引き締まる感覚や、シュンの味覚は少なくなり、うっかりしていると一年がノンベンダラリンとすぎてしまう。どうも、世の中、両方ともいいというわけにいかないようだ。さて、気候のきびしい北方中国では、いやおうなし
Author: 村山孚 Year 1981 Issue 11 PDF HTML
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23. 水仙の水栽培が窓辺に
植物マニアのAさんにとって、十二月は待ち遠しい。旧暦―中国では「農暦」というのだが、その正月一日、つまり「春節」(新暦―中国では「公暦」―でいうと来年は一月二十五日)に合わせてうまく花が咲くよう、十二月になると、水仙の球根を水盤にいれるのである。北京の場合、ふつうの室内温度だと、水盤に下ろしてから約四十日で開花するから、ことしは十二月中旬から作業開始ということになる。仕込んだあとが苦心のしどころで
Author: 村山孚 Year 1981 Issue 12 PDF HTML
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24. 帰ってきた男
東北三省(遼寧省·吉林省·黒竜江省)は人口九一三〇万で全国の一割弱ですが、重工業総生産額は全国の約二割を占めます。中国で人口一〇〇万以上の都市は二〇ですが、うち六市が東北にあります。中国の現代化にとって東北は大きな役割をになっています。 その東北を、本誌連載の「北京新歳時記」などでおなじみの村山孚氏に取材してもらいました。建国三十五周年を迎えた東北の現状は?その今昔は?錦州、大連、瀋陽、吉林、長春
Author: 村山孚 Year 1984 Issue 10 PDF HTML
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25. 古塔は見てきた
決 意「手がふるえました。息子と娘はまったく分かりませんでしたが、妻は、年はとったものの、まぎれもない私の妻でした。息子も娘もそれぞれ結婚して、孫もいると書いてあったのです。妻ひとりで、よくぞ育ててくれたと……」一刻も早く帰りたい。しかし、帰ったら殺されるのではないか。その不安の一方で、大丈夫かもしれないという考えが次第に強くなっていった。それをもたらしたのは大陸からの放送だった。八一年の九月末、
Author: 村山孚 Year 1984 Issue 11 PDF HTML
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26. 大連港は、いま……
お国自慢北京で、対日関係の仕事をしている中国の友人のなかには、大連出身者が少なくない。大連への出発をひかえて、わたしはかれらに大連のことを聞いてまわった。「大連の特産は“三水一花”というのです。“水果(くだもの)”“水稲”“水産”、これが三水です。一花は“花生(落花生)”、遼寧省の落花生は大連市が四〇%あまりも占めているのですからね。くだものはもちろんリンゴ、それに桃とサクランボ」「なんといっても
Author: 村山孚 Year 1984 Issue 12 PDF HTML
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27. 日本への期待
トイレ出発前に北京で、大連出身の友人たちから聞いたお国自慢は、いずれもそれなりに当を得ていた。が、大連には、かれら大連OBの知らない“新名物”も少なくなかった。その一つは公衆トイレである。市中を車で動きまわっているとき、ところどころで道ばたに小ぎれいな新しい建物があるのに気づいた。交番かと思ったが警官はいない。案内の張さん、穆さんに聞いてはじめてトイレと知ったのであった。なんとこれは一九八三年に行
Author: 村山孚 Year 1985 Issue 1 PDF HTML
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28. 活性化をめざす鋼鉄基地
車中のハリキリ老人遼寧省鞍山市は中国最大の鉄の都である。粗鋼の年間生産七百万トンというのは全中国鉄鋼生産量の約二割に近い。なにしろ市の人口は一二一万、その主力は鞍山鋼鉄公司の従業員二二万人である。鉱山、焼結、製鉄、製鋼、圧延、動力、運輸、機械修理など三十八工場や病院、託児所などの付属施設だけでなく、従業員子弟の就労対策としての服務公司などもあって、要するに市民のほとんどが鉄とかかわりあっているので
Author: 村山孚 Year 1985 Issue 2 PDF HTML
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29. 歴史のうねり
東北の今昔どこの国であろうが、その国のことを知ろうと思ったら、マクロとミクロの両面から、しかも歴史の流れのなかで見なければよくわからないのは当然だ。何度も書いたように、図体が大きく、しかも歴史が古い中国は、とくにそうである。瀋陽市は遼寧省の省都であり、東北三省の中心都市である。瀋陽のことを見聞するまえに、東北全体についてマクロ的につかんでおこうと思い、資料を調べてみて、あらゆる面で大きな数字におど
Author: 村山 孚 Year 1985 Issue 3 PDF HTML
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30. “流通革命”ただいま進行中
個人営業の食堂アフリカの飢餓地方のことを考えると申しわけない話だが、長い旅で毎日ホテルの食事をつづけていると、いささかうんざりしてくる。ごちそうもたまに食べるからごちそうなので、ごちそうつづきではごちそうでなくなる。とくに中国のホテルは包飯(パオフアン)(一食いくらというコース定食)が主で、点菜(テインツアイ)(一品料理)はないか、あっても種類の少ないところが多い。観光事業が盛んになってくれば、や
Author: 村山 孚 Year 1985 Issue 4 PDF HTML