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Your search : [ author:■文と写真 村山孚] Total 53 Search Results,Processed in 0.088 second(s)
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31. 辛酸をなめた豊満ダム
天変地異九年前、つまり一九七六年という年は、中国にとって容易ならざる一年であった。周恩来(一月)、朱徳(七月)、毛沢東(九月)と革命の元勲が相ついで逝き、さらに七月には河北省唐山市で地震が発生、なんと十五万人の死者を出している。もちろん偶然の一致だろうが、中国では史上、どういうわけか、こうした事例が間々ある。そして、「物窮(きわ)まれば変じ、変ずれば通ず」(易経)の原理どおり、新しい時代が開けてい
Author: 村山孚 Year 1985 Issue 5 PDF HTML
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32. 都会のなかの「万元戸」
君子蘭ブームよく知られているように、中国はいまや各分野で画期的な改革をこころみている。ところで、なにごとだろうと、改革には行きすぎや副作用がともなうのは避けられない。中国人はおだやかで慎みぶかいが、意外と激しいところがある。とくに、長年にわたっていろいろな制約というか、ワクが多かっただけに、それがとれた場合、はげしいエネルギーが噴出する一方で、有害ガスもかなり発生するだろう。だからといって、改革を
Author: 村山孚 Year 1985 Issue 6 PDF HTML
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33. 爪痕に立って思う
「なぜ侵略のお先棒を」前号はついに休載してしまった。連載の約束をして始めたのに、まことに申しわけない。「筆者のつごうにより云々」とことわりがきを出してもらったが、病気でも事故でも何でもない。書けなくなってしまったのである。書いては破り、破っては書き、紙くずの山を作ったが、どうにも書き上げられず、編集部に謝まりの電話をかけたのだった。また、締め切りの日が近づいてきた。もう一度休載というわけにはいかな
Author: 村山 孚 Year 1985 Issue 8 PDF HTML
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34. ある長春女性の物語
取材をためらったが……戦後満四十年を迎えて、さまざまな歴史が改めて掘りおこされている。そのなかで東北から引き揚げた日本人の回想も少なくない。百万人を上回る日本人が短期間のあいだに一斉に移動したというのは日本の歴史にも全くなかったことであり、日本沈没でもないかぎり、これからもおそらくあり得ないことだろう。百万人の引き揚げ者には百万例の体験がある。それは得がたい教訓を含む民族的記憶として、もっともっと
Author: 村山 孚 Year 1985 Issue 9 PDF HTML
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35. 国際都市の九十年
「国際都市」の意味哈爾浜はかつて「国際都市」といわれた。重厚な石畳の大通り、ギリシャ正教の寺院、ロシア風の家屋、ロシア文字の看板、一時は二十カ国近くあった領事館……エキゾチックな風物が独特なふんいきをかもしだしていたからである。だが、この名称は、神戸や横浜に冠せられる「国際都市」とはかなりちがっていた。哈爾浜の「国際都市」は、近代史の上で「国際的な勢力葛藤の舞台となった都市」であり、中国の立場から
Author: 村山孚 Year 1985 Issue 12 PDF HTML
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36. 四十年ぶりの村再訪
迷い哈爾浜市の東南に隣接して阿城県という黒竜江省の典型的な農業県がある。数年前の行政機構改革で名実ともに哈爾浜市の経済圏に入り、「哈爾浜市阿城県」となったが、歴史的には哈爾浜より古く、十二世紀のはじめ北京を滅ぼした金(一一一五~一二三四)が建国当初、都にしていたところである。「上京会寧府」といわれるその遺跡は、県城のすぐ南に接している。私たちは、哈爾浜から一泊旅行でこの県を訪れることにした。実は、
Author: 村山孚 Year 1986 Issue 1 PDF HTML
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37. 国営農場に生きる
北大荒(ペイターホワン)の明と暗黒竜江省の東北のすみ、黒竜江、松花江、烏蘇里江の三河川が合流する一帯を三江平原という。はっきりした区画ではないが、総面積は一〇万平方キロあまり、台湾が二つ以上、すっぽり入るほどの広さである。土質は肥えていて、中国流の表現をすると、「箸をさしたら芽がふきだし、薪を埋めても花が咲く(插根筷子就発芽,種上柴火也開花)」ほどの黒土だそうだ。東南部は丘陵地帯になっていて自然林
Author: 村山孚 Year 1986 Issue 2 PDF HTML
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38. 「北大荒(ペイターホワン)」の新しい風
経済改革の見方中国の経済改革にしろ路線問題にしろ、外国からそれを見たり考えたりするにさいして、心しなければならぬ点が三つある。わたしは、その道の専門家でも“通”でもないが、ちょうど「文革」後の変わり目に、通算して四年ほど中国で生活する機会があり、また各地を旅することもできた結果、ずいぶんとまどいもしたあげく、そのことに思い当ったのである。第一は、当然のことながら、中国が広く、地域格差も大きいことで
Author: 村山孚 Year 1986 Issue 3 PDF HTML
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39. 水とみどりと山と
哈爾浜市から牡丹江市行きの列車に乗った。めざすは牡丹江の上流にある鏡泊湖である。鏡泊湖は溶岩流が作りだした中国最大の堰止(せきとめ)湖(中国語は「堰塞湖」)で、日本の中禅寺湖を大型にしたものと思えばいい。東北地方といえば大平原のイメージが強いが、実は山あり湖ありなのである。とくに黒竜江省は山地が総面積の五〇%を占め、湖も名だたるものがある。東北地方北部の主な湖はつぎのとおりだ。呼倫湖(内蒙古自治区
Author: 村山孚 Year 1986 Issue 4 PDF HTML
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40. 相互誤解
そんなカギがあったらいいなあ……というのが、この連載エッセイを始めることになったきっかけです。それほど中国のことを本当に知るのはむずかしい。長い歴史、広い国土、古い文化と革命の嵐、激しい変化、深い奥行き、わかったと思うと、またわからないことが出てくる。そうした国を解明するカギを読者とともに何とか見つけだしたい、と思うのです。投書歓迎!
Author: 村山孚 Year 1989 Issue 1 PDF HTML