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Your search : [ author:波多野真矢] Total 24 Search Results,Processed in 0.098 second(s)
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11. 『覇王別姫』
力抜山兮気蓋世 力は山を抜き気は世を蓋(おお)う 時不利兮騅不逝 時に利あらず騅(あしげ)逝かず 騅不逝兮可奈何 騅逝かずいかんすべき 虞兮虞兮奈若何
Author: 波多野真矢 Year 1999 Issue 11 PDF HTML
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12. 『趙氏孤児』―中国古代の仇討ち物語
世界各地で大地震や事件が相次ぎ、もう遠い昔のことかと思っていた戦争もあり、また中国では大きな節目の建国五十周年だった一九九九年も、暮れゆこうとしています。あなたにとってはどんな一年だったでしょうか。年の暮れには日本ではテレビドラマや舞台で必ず『赤穂浪士討ち入り』や『忠臣蔵』を演じます。こればかりで飽きたという方も多いでしょうが、脈々と演じ続けられ、語り継がれている凄さには圧倒されます。主君のため臣
Author: 波多野真矢 Year 1999 Issue 12 PDF HTML
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13. 戯楼―京劇と出会う空間
恭喜新年!「戯楼夜話」も二年目を迎えました。今年もまた、皆さんと共に京劇を味わい、夢の扉を叩いて京劇世界に遊びたいと思っています。昨年は演目を挙げてご紹介しましたが、今年は趣向を変え、京劇の観客であり、京劇を学び上演した経験もわずかながらある筆者の経験と私見を交えつつ、舞台の表と裏、また周辺など、さまざまな角度から京劇の面白さをお伝えしていくつもりです。新たな年、二〇〇〇年の幕開けは、観客が京劇と
Author: 波多野真矢 Year 2000 Issue 1 PDF HTML
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14. 票房―京劇ファンの世界
先月、劇場の話題の中で、北京の劇場では外国人観光客向けの公演が多く、雰囲気も変わってしまった、ということを書きました。京劇の公演は、毎日演目が異なるのが普通ですから、九〇年代はじめまで、京劇ファンなら毎日のように劇場に通っていました。切符の値段もだいたい一元以下で非常に安価でしたし、余った切符を売りたい人が当日劇場前にたくさんいて、半額以下で手に入ることもありました。それが最近の切符ときたら、良い
Author: 波多野真矢 Year 2000 Issue 2 PDF HTML
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15. 京劇の音楽―うねる音、そして楽隊のプライド
目には見えない、けれど京劇にとってなくてはならないもの。新たに萌え出た木の芽や草花が、みずみずしい春の気の香りを伴うように、音楽もまた京劇の大事な要素です。ですが、見た目が非常に派手やかな演劇にも関わらず、音楽に興味を持って京劇を見ている、という方は海外の京劇ファンの中では少数派のようです。通常、京劇の楽隊は歌の伴奏などメロディーを奏でる弦楽器(文場)と、立ち回りなどに打ち鳴らされる打楽器(武場)
Author: 波多野真矢 Year 2000 Issue 3 PDF HTML
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16. 女形―復活の夢
「梅蘭芳(メイランファン)はとてもきれいな女形でね、おじいちゃんのご贔屓(ひいき)の役者だったんだけど、ある時日本からきた偉い人が、舞台を見て女の人だと思って、結婚を申し込んだら男だったので、あとでみんなの笑い話になったんだよ」。これは一九二〇年代に北京に祖父と共に住んでいた祖母から、子どもの頃聞かされた話です。子ども心に、一目で惚れ込んでしまうような美しい役者、しかもそれが男だったというくだりが
Author: 波多野真矢 Year 2000 Issue 4 PDF HTML
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17. 京劇の衣装
背景もなく、大道具も机や椅子だけ、という簡素な京劇の舞台。それを視覚的に彩る華やかな色彩は、主に役者の着ている衣装によるものです。何もない舞台に、突然の事件のように現れるとりどりのあでやかな衣装は、中国のイメージそのもの、というエキゾチックな魅力に満ちています。背中に旗を背負った武将の着る衣装、「水袖(シュイシゥ)」という袖の先に付いた白い布、龍や花や不思議な図案の豪華で細やかな刺繍。ただ眺めてい
Author: 波多野真矢 Year 2000 Issue 5 PDF HTML
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18. 京劇の色-一人を染める一つの色
中国を代表する色は、と問われれば、ほとんどの方が即座に「赤」を思い浮かべることでしょう。六歳になる娘は、万国旗の中から目ざとく中国の国旗を探し当てますが、「真っ赤だからすぐわかる」のだそうです。故宮の壁、婚礼衣装、春節の飾り、赤い灯ろう、確かに中国にとって赤は特別な色です。でも、十数年前のこと、飛行機の窓から眺めた北京周辺の大地は、何もかも、すべてが乾いた黄土色に見えました。それは飛行場に降り立ち
Author: 波多野真矢 Year 2000 Issue 6 PDF HTML
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19. 京劇の楽屋 芝居の裏の芝居
楽屋とは、芝居が好きな人にとって、夢でもいいから迷い込んでみたい場所。役者が普通の人から舞台の役へと転生し、また役から普通の人へと戻る、何か神聖な、神秘的で謎めいた場所。憧れの役者がどんな風に化粧をし、衣装を着、役の中に入り込んでいくのか、たくさんの道具や衣装や武器のたぐいがどんな風に並べられているのか、覗いてみたいとは思いませんか。京劇では、表の舞台を「前台」(チエンタイ)、そして裏の楽屋を「后
Author: 波多野真矢 Year 2000 Issue 7 PDF HTML
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20. 京劇と飯荘 ある老人の想い出
京劇の上演時間は、割合と長い。もっとも、近年は観光客向けに一時間あまりの公演が増えましたが、私の留学時代の八〇年代の公演は、三時間から四時間がほとんど。開演時間も遅くて、夜は大体が七時開演で、終演は十一時過ぎになることもありました。そこで、夕食は開演前に済ませることになります。留学生の場合は贅沢もできないので、自炊で簡単に済ませたり、宿舎の食堂で食べたりしてから劇場に出かけていました。でも、芝居が
Author: 波多野真矢 Year 2000 Issue 8 PDF HTML