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Your search : [ author:波多野真矢] Total 24 Search Results,Processed in 0.076 second(s)
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21. 京劇と北京の朝自然との一体感
まだ夏の暑さの残るこの季節、目にはさやかに見えずとも、そこかしこに秋の気配のひそかな訪れを感じます。北京の九月の早朝は、暑さに疲れた体と心を和ませる清々しさに満ちています。元来夜型人間で朝寝坊の私も、この時期には自然と早く目が覚め、普段はやらない早朝練習にでかけます。留学時は校内だけでなく、剣や槍や練習用の水袖(袖の先に付いた白い布)のついた衣装などを持って、学校の近くの什刹海や北海公園に行きまし
Author: 波多野真矢 Year 2000 Issue 9 PDF HTML
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22. 京劇と秋の夜 芝居の感情をなぞる
今年も四〇度を超える夏の暑さに痛めつけられた北京を、やさしくいたわるかのような秋が訪れました。秋は北京で最も過ごしやすく、気候のいい季節です。名にしおう香山の紅葉を見にゆかずとも―実際、北京っ子で香山詣でをしたことがない、という人もたくさんいます―国慶節の晴れ晴れとした気分と共に、街のいたる所に秋のさわやかさが漂っています。とりどりの果物も出そろい、作家老舎が「北京の秋は天堂(天国)だ」とたたえた
Author: 波多野真矢 Year 2000 Issue 10 PDF HTML
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23. 京劇と老照片 京劇の記憶の宝箱
老照片(ラオヂヤオビエン)、とは古い写真のことです。父がカメラマニアだったこともあって、私も写真とは随分縁があり、幼い頃は柳行李や大小の箱に収められた曾祖父母の時代からの昔の写真をよく眺めていました。中国に「京劇」というものがある、と知ったのは、祖母が話してくれた一九二〇年代、三〇年代の北京の話と、額入りの隈取り役の大きな写真やら女役の絵葉書の写真からで、白黒のそうした写真は祖母の話に具体的な形を
Author: 波多野真矢 Year 2000 Issue 11 PDF HTML
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24. 京劇と二十世紀
京劇にとって二十世紀とは一体どんな世紀だったか、見渡して概括してみると、始めから終わりまでずっと「改革改良」が叫ばれ続けてきた、そんな百年だったと言えます。晩清に最盛期を迎えた京劇は、今で言うと、テレビ、映画、歌謡曲、演劇、そういったエンターテインメントすべてを集中させたような、圧倒的な人気を誇る存在でした。しかも王侯貴族から一般庶民にいたるまで、幅広く愛されていました。そんなわけで今世紀初頭には
Author: 波多野真矢 Year 2000 Issue 12 PDF HTML