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Your search : [ author:杜鵬程(トウポンチヨン)] Total 4 Search Results,Processed in 0.099 second(s)
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1. 湯わかし番
一一九五三年の冬のある朝、現場の補習学校の教員が、一人の女の人をつれて組合事務所にやつてきた。女は大きな背負籠(しよいかご)を地面(じべた)におくなり、湯呑をとり出して湯をつぐと、ゴクゴクとノドを鳴らして一息に飮みほした。それから手の甲で口の端をぬぐうと、壁ぎわに立つたまま、默つて私の方を見た。「驚いたなあ。七十里からの道を歩いてきたつていうんですよ」教員は藪から棒にそういつて、さも驚いた顏をした
Author: 杜鵬程(トウポンチヨン) Year 1958 Issue 5 PDF HTML
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2. 運轉手の王君(上)
一去年の秋の暮れのある朝、私は秦嶺[注释1]の麓の自動車道路の道端に立つていた。重要な会議に出席するために秦嶺の南の工事現場までゆかねばならぬのだが、ついでの車があればそれに乘つて行こうと思つていたのである。ところが、來る車來る車みな工事の材料を満載していて、とうてい人一人乘る余地もない。私は氣が氣でなくなつた。道程は二、三〇キロもあろうというのに、時計を見ると、もう会議の時間まで僅かしかない。こ
Author: 杜鵬程(トウポンチヨン) 裘沙(チユウシヤ)·画 Year 1957 Issue 10 PDF HTML
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4. 工事場の老夫妻(下)
かみさんは銃をとると、銃彈の雨を縫つて谷間に下り、延河のほとりへ手さぐりで進んでいつた。その間に黑成威(こくせいい)(ヘイ·チヨンウエイ)は、手榴彈を手に、十二の担架をまつくらな林のなかに運び込んだ。呂有懷(ろゆうかい)(リユイ·ユウホワイ)は黑成威が煙管をとり出したまま吸いつけもせず、しきりにあたりを見回しているのを見て声をかけた。「おかみさんと息子さんをはやくむかえに行つてやんなさいよ」黑成威
Author: 杜鵬程(トウポンチヨン) え·吳靜波(ウーチンポー) Year 1958 Issue 10 PDF HTML