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21. 鬼を追い払う春節の踊り
中国各地の春節(旧正月)の活動は、多種多様である。特に、江西省南豊県石郵村では、儺(ヌオ)踊りが盛んだ。「灘(ヌオ)(おにやらい)」とは、古代中国に始まる、神を迎え悪鬼を追い払う原始宗教の儀式であり、日本では「追儺(ついな)」とも呼ばれている。起源は原始社会までさかのぼり、商·周の時代(前十七世紀~前二五六年)にもっとも盛んに行われ、すでに数千年間続いてきた。『礼記』の記載によると、周代、毎年旧暦
Author: 文·写真=魯忠民 Year 2002 Issue 7 PDF HTML
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22. 神宿るおにやらいの面具
中国の多くの地方では、おにやらいの習俗が今も伝えられている。その大きな特徴が、面具をかぶって踊ること。そのため、面具を彫刻する専門の職人たちも生まれたのである。彫刻といっても、おにやらいの面具と一般的なものとでは、大きく異なる。おにやらいの面具は邪気を払い、福を呼ぶ神像であり、その起源は大昔にさかのぼる。おにやらいは数千年の歴史の中で、格調高い儀式となった。面具の制作はおにやらいの儀式と密接に結び
Author: 文 写真·魯忠民 Year 2002 Issue 7 PDF HTML
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23. 曹雪芹が伝えた凧文化
中国の古い民間工芸である凧(たこ)は、すでに春秋時代(紀元前七七〇~前四七六)には木製や竹製の「鳶(ユアン)」と呼ばれるものがあった。その後、紙製の鳶が登場し、五代十国時代(九〇七~九六〇)からは風箏(フオンジョン)と呼ばれて、さまざまな色や形の凧が生み出されてきた。近現代の凧の名産地としては、北京や天津、山東省灘坊、江蘇省南通などがあげられる。とりわけ北京の凧は、工芸の細やかさと古典的な色彩の豊
Author: 文·写真·魯忠民 Year 2002 Issue 8 PDF HTML
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24. 神話から生まれた「泥泥狗」
「泥泥狗(ニィニィゴウ)」とは、河南省淮陽県の一帯で作られる泥(粘土)製の玩具の俗称で、地方色豊かな民芸品である。淮陽県の県都の北部には、古代伝説上の皇帝·伏羲(ふくぎ)の陵墓「太昊伏羲陵」があり、地元の人に「人祖廟」と呼ばれている。言い伝えによれば、伏羲とその妹(または妻)である伝説上の女神·女蝸(じょか)の頭蓋骨を葬るために、この陵墓が建てられた。例年旧暦の二月二日から三月三日まで、ここで盛大
Author: 文 写真·魯忠民 Year 2002 Issue 9 PDF HTML
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25. 木炭の粉から生まれる年画
中国には年越しの際に、玄関や室内に年画(旧正月を祝うめでたい図柄の絵)を貼る習慣がある。「お金があってもなくても、年画を買って年を越す」といわれ、かつて古人は、レンガのレリーフを玄関の上に飾ったり、門神を描いた絵を門戸に貼ったりして、厄(やく)や邪気をはらった。宋代以降は木版印刷の出現により、年画が急速に発展した。伝統的な年画はおもに木版印刷だったため、「木版年画」と称された。清代になると、木版年
Author: 文 写真·魯忠民 Year 2002 Issue 10 PDF HTML
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26. 福を運ぶ多彩なちょうちん
中国には「紙には火を包めない」ということわざがあるが、実際には、紙で火を包む民芸品がある。それが紙製のちょうちんである。旧正月の十五日は、元宵節(げんしょうせつ)のちょうちん祭りだ。伝統的な習慣により、家々の玄関先には赤いちょうちんが掛けられる。子どもたちが色とりどりのちょうちんを持って遊び回り、街頭や広場にはちょうちんがたくさん飾られ、老いも若きもみな、ちょうちん祭りに出かけていく。精悍な若者た
Author: 文 写真·魯忠民 Year 2002 Issue 11 PDF HTML
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27. 色とりどりの蒸しもの供える
「麺花(ミェンホァ)」は、また「花饃(ホァモー)」「礼饃(リィモー)」「麺塑(ミェンスゥ)」などとも呼ばれる。動植物や人の形をかたどった小麦粉製の蒸しもののことだ。小麦粉製の食べ物を主食にしている中国の北方地方でつくられる。各地にそれぞれ特徴があり、たとえば、山西省南部の臨汾·運城地区、陝西省の関中·渭南地区などの麺花は種類も多く、丹念につくられている。冠婚葬祭ともなると、親戚や友人たちから贈られ
Author: 文·写真=魯忠民 Year 2002 Issue 12 PDF HTML
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28. 北京に甦(よみがえ)る「水のある風景」
むかし、元や明の時代の北京は、運河が縦横に走り、物資を満戴した船が行き交い、にぎわっていた。その「水のある風景」が消えてから百年余り。急速な人口増や工業化によって、街中を流れる川は汚れ、湖や池は干上がって、北京の水系はズタズタになっていた。 ところがこの数年、北京の川に豊かな水が帰ってきた。環境保護や緑化を重視した大規模工事が次々に完成し、街の中を遊覧船が定期運航するようになった。いずれは南から長
Author: 魯忠民=文·写真 Year 2003 Issue 5 PDF HTML
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29. 「旅」劇団農村をゆく
中国の伝統劇は、かつて、庶民に最も愛されていた娯楽の一つだった。各地域に多種多様の伝統劇があり、統計によれば、その形式は三百種以上にのぼる。しかし、社会の近代化に伴い、伝統芸術は大打撃を受けた。特に、都市の専業劇団の公演が大幅に減少したことが観客減少に拍車をかけ、伝統劇は苦境に追い込まれている。一方で、広大な農村地区での人気は相変わらず高い。一部の県クラスの劇団は、生き残っていくために、劇団を数グ
Author: 魯忠民=文·写真 Year 2003 Issue 8 PDF HTML
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30. 山村から来た「小さなお客さん」
桜の下で親交を深める二〇〇四年四月八日午後、埼玉県幸手市の公園は、桜の花が錦のように満開だった。中国河北省賛皇県の許亭郷中学から来た曹珊さん、于沢くん、馬智勇くん、王芸斐さんの生徒四人は、日本で知り合いになった臨時の「保護者」と身ぶり手ぶりで談笑し、楽しいひとときを過ごしていた。公園にいた花見客たちも、彼らが中国から来た「小さなお客さん」だとわかると、次々とやって来てはあいさつしたり、親しく記念撮
Author: 魯忠民=文·写真 Year 2004 Issue 8 PDF HTML