Current Location: Home » Full Text Search
Your search : [ author:作者 馬宝山
え· 李耀林] Total 932 Search Results,Processed in 0.079 second(s)
-
22. ボツ原稿
お勘定は二百元ですが、同窓のよしみです、お金は一銭もいただきません。世間なんて全く狭いものだ。某新聞の文芸欄デスクの陳君が、三年前に別れたきり、いまはレストランの経営者におさまっている同窓の李某に、彼の店でばったり出くわすとは、夢にも思わなかった。ほかの店に行こうかと思ったが、連れはみんな腹ぺこで、店なんか選んでいられないと、もう席についてしまっている。少数は多数に服従するしかない。来てしまった以
Author: 作者 張国志 え·趙宝林 Year 1993 Issue 8 PDF HTML
-
23. 道徳の授業
まちがったことをしました、と謝りに行くのが先だ。お総菜店を出たところで、息子がこともあろうにナシを一個盗んでいたのを見つけた。まだ口をつけていなかったので助かった。さもなかったら、私はどうしてよいかわからなかっただろう。私はすぐナシを取り上げ、厳しくしかりつけた。「どうしてお前は、盗むなんてことをしでかしたんだ。食べたかったんなら、買ってちょうだいと、パパに言うもんだろう。まったく、六つの子どもが
Author: 作者 白波 え·穆永瑞 Year 1993 Issue 10 PDF HTML
-
24. 職業病
一人の女性の出現が陶理の人生哲学を一変させた小学教師の陶理が、アルバイトで金儲けしようと心に決めた。だが彼は、おおげさに宣伝などせず、こっそり動き出すことにした。ふだんから陶理は、たいそう人目を気にしていた。ズボンにはいつもきちんとアイロンをかけ、靴もピカピカにしていた。口が臭くなるネギやニンニクは食べないし、食後は必ず歯を磨き口をすすぐ。菜っぱの切れっぱしが歯にくっついていたら大変ではないか。町
Author: 作者 程憲濤 え·葉曙光 Year 1993 Issue 11 PDF HTML
-
25. スリッパ
中国では普通、家の中でも靴はぬがないのですが、この物語は…阿濃のあだ名を「スリッパ」という。そのあだ名には、こんな由来がある。阿濃は人づきあいがよく、いい友だちがたくさんいた。新婚夫婦の寝室のインテリアや調度の配置もぜんぶ仲間が手伝ってくれた。結婚式の日は大勢の人がワンサと集まって、上海語でいう「カニ一匹もぐりこむすきもない」ほどだった。翌日、妻の小潔(シャオジエ)は六足のスリッパを買って来て、入
Author: 作者 凌鼎年 え·穆永瑞 Year 1994 Issue 1 PDF HTML
-
26. 茶仙
彼らはため息をついて言いました。スゴい―まことの茶仙だ!謝宝興は百歳の仙寿をむかえました。それは全く以て、お茶をたしなんできたおかげでした。謝屋は、数千人の人が住む大きな村で、平野に面し、後ろに丘をひかえています。謝宝興の父はお茶の葉だけを売るささやかな店をやっていましたので、謝宝興も子どものときからお茶にどっぷりつかって大きくなりました。父親は言ったものです。この子には天分があるぞ。いちど竜井茶
Author: 作者 姚錦波 え·高栄生 Year 1994 Issue 3 PDF HTML
-
27. 巡査とサッカー狂
騷ぎを起こした二人は、子どもみたいにまだののしりあっていた。ちょうど競技場を出るとき、「いいぞッ!」と喚声が上がった。巡査は立ち止まって耳をそばだて、また歩き出した。キリッとした眉がつりあがり、いまにも降り出しそうな空のようにゆううつそうだ。騒ぎを起こした二人のキチガイどもは、子どもみたいにまだののしりあっている。巡査の声がとがってくるのもむりはない。競技場の警官詰所に来た。巡査は鍵を取り出してド
Author: 作者 李維明 え·穆永瑞 Year 1994 Issue 4 PDF HTML
-
28. 道
大雪の朝、父が息子を連れて外出しました。私のうしろを歩きなさい、と父は何度も言うのですが、息子は……大雪が降り、道路をふさいでしまいました。雪の上を、人が歩きはじめました。でもみんな、一人分の幅の狭い道を行き来するだけです。はじめは雪が積もっていたところですが、歩く人が多くなったおかげで、雪がとけてしまいました。それが、いま道になっているのです。彼は、その道を歩いているところです。十歳になる息子が
Author: 作者 劉国芳 え 高栄生 Year 1994 Issue 5 PDF HTML
-
29. 橋
先生が子どもを背負って川を渡っているという話は、ゆうゆうたる川の流れとともに天の果てまで伝わって行った。山すそを、一条の川が流れている。ゆうゆうと流れている。きらきらと光る流れは、両岸の人びとのいくつものつながりを、鋭い刀のように断ち切っていた。この数年来、村で急に子どもが増え始め、争うように大きくなり、あちこちでわんぱくの限りをつくすようになった。子どものめんどうをみてくれる先生を探さんといかん
Author: え·穆永瑞 作者 許伝超 Year 1994 Issue 7 PDF HTML
-
30. 宵待草の鉢
この宵待草の鉢が、二人の感情を破裂させる導火線となった。すべてが、その日に終わった。彼と彼女は、初めはたいそう幸せだった。幸せな日々は時とともに流れてゆき、幸せという状態がだんだん微妙に変わっていった。そしてあるとき、それぞれがそのことをさとった。軽い失望感が心のなかに生まれたが、どちらもそれを口に出すことはしなかった。ある日、二人の生活の中に鉢植えの宵待草が加わった。彼女がわざわざ花市から買って
Author: 作者 薛涛 え 高栄生 Year 1994 Issue 8 PDF HTML