Current Location: Home » Full Text Search
Your search : [ author:作者 馬宝山
え· 李耀林] Total 932 Search Results,Processed in 0.107 second(s)
-
1. 小城に名医なく
城は、中国語では都市のこと。 とある小城で、こんなことが起こったのです。燕省吾は、代々中医の家柄、時に五十歳、あから顔で、髪もあごひげも白い。小城のあらこちの通りで、ゆったりと歩くそのすがたが、よく見られたものです。燕先生は、貴賤貧富、老若美醜、肌の色や愚者賢者など、一切の違いを問うことなく、来る者すべてを身内のように遇しました。どのような難病であれ、燕先生がひとたび脈をとり処方箋を書けば、三服で
Author: 作者 馬宝山 え· 李耀林 Year 1994 Issue 2 PDF HTML
-
2. 知青の会
お勘定は、なんと五百四十二元なり!何人かが顔色を変え左右を盗み見た。翔歌は午前中ずっと家にいて、電話を十二本もかけた。幸い、通じなかったのは二本だけで、あとの十人は話ができた。だが、来られないというのが三人いた。祭日だって休めないのよと言ったのがエレベーターの運転係、春節は南方に“避難”するんでねと言うのが部長さん、病人に付き添ってやるように言われてるんだと副校長先生。三人ともウソじゃないだろうな
Author: 作者 陳大中 え·李耀林 Year 1993 Issue 9 PDF HTML
-
3. 呂家の兄妹
毎朝妹がきちんとしたみなりで出かけてゆくのを見ると、いつも兄の目に羨望と苦痛の色が浮かんだ。呂家は、このあたりでは名家だった。おじいさまの代は有名な中医だった。父親は医大出の西洋医で、医術もりっぱと言われていたが、「女性問題」で病院を首になった。妻は離婚してほかの男と再婚し、二人の子どもが彼のもとに残された。この時期は家で医院を開き、中西両方を診ていたので、暮らしは相当なものだった。やがて文化大革
Author: 作者 劉進元 え·李耀林 Year 1994 Issue 10 PDF HTML
-
4. 天の配剤
ついにある日、彼らは賢こくも、しかし胸に痛みを抱きながら、別れを告げあった……敏と軍は、恋人同士だった。やがて、どういう魔がさしたのか二人の心はだんだん離れて行った。敏は言った。あなたは、どうして大学入試にこだわるのよ?今の世の中、みんなお金もうけで必死じゃないの。大学に入ったって、なんの役に立つの!軍は言った。人は、ただ銭のためのみに生くるにあらず、さ!もしそうなら、あまりにもつまらない。あまり
Author: 作者 劉平 え·李耀林 Year 1995 Issue 4 PDF HTML
-
5. センダンの木に刻まれた目
離婚が流行のご時世とは、いかにも世紀末だ。むかしは、だれかが離婚などしようものなら、当分は大騒ぎになったものだ。しかしいまは、集団離婚だって相手にされない。いま離婚といえば、まるで一曲の変奏曲みたいで、にっこり手を振り、元気でネと言い合い、さては離婚パーティーやら離婚写真やら離婚旅行までやっている。傑と叢が離婚を決め、どちらが言い出したともなく、むかし生産隊で暮らした湖北省南部の小さな山村に旅行す
Author: 作者 葉大春 え·李耀林 Year 1995 Issue 8 PDF HTML
-
6. 苦ザボン
君の心のおかげで、苦いザボンも甘くなるだろう。錦秋、ふるさとのザボンも熟れる十月。南米に住んでいる伯父が、十五になる娘を連れて、はるばる浮雲鎮に帰ってきた。翌朝さっそく、いとこがザボンを買いに行こうとせがみだした。「行こう、行こう。わしも行くよ」伯父は笑いながら言った。「この子はまだザボンを見たことがないしな、わしだって、もう四十年も見てない。わしたちはザボンシックにかかってるんだよ」ザボンはちょ
Author: 作者尹鳳庭 え·李耀林 Year 1993 Issue 6 PDF HTML
-
7. 生存試験
腰掛けは理髪店の椅子にかないませんがほかは負けてませんよ。林君の青空床屋は、とある労務市場の端っこにある。この労務市場は自然発生的にできたもので、取り締まりの役人[注释1]がしょっちゅう追い立てに来るが、二日とたたないうちにまた人が集まってしまう。市場はどんどん繁盛し、仕事にありつきたい人と仕事をしてくれる人を探す人が値切り値切られて、それはにぎやかなものだ。林君の商売も順調で、一日に四、五人の客
Author: 作者 劉思 え·李耀林 Year 1993 Issue 12 PDF HTML
-
8. 半本に減ったろうそく
突然、画面のそうぞうしい人の群れが姿を消し、部屋が真っ暗になった。その日私は出張で、北方の小さな見知らぬ町に着き、普通の旅館に宿をとった。入ってくる人も出てゆく人も、知らない顔ばかりだった。部屋にはベッドが三つあった。夜になったが、まだ私ひとりだ。いつどんな人が入って来るかも知れず、私は不安だった。テレビの画面はパッパと変わって、いろんな人を映している。私は、いくらか気が楽になってきた。突然、画面
Author: 作者 謝志強 え·李耀林 Year 1994 Issue 6 PDF HTML
-
9. 大きなスッポン
このスッポンは神様じゃ! と家族のみんなが驚いた。大水が出て、一匹のスッポンが浜辺に流されてきた。男の子がやってきてそれを見つけ、大きいなあ!とびっくりした。彼はしゃがんでスッポンを抱き上げ、家に持って帰ろうとした。だが重くてだめだ。まわりを見たが、広い浜辺には人っ子一人いない。彼はじだんだを踏んでそのまわりを歩いた。突然、彼は走りだした。お母さんを呼んできて助けてもらうんだ。母親は家にいなかった
Author: 作者 龐世偉 え·李耀林 Year 1994 Issue 11 PDF HTML
-
10. 妻
さっきの名前と電話はどっちもウソ。電話くださるんなら……ペテルブルク·ダンスホールで踊ったことがないというのはダンス好きの恥だという。たったその一言で、ぼくたちはあの晩、四対一というアンバランスな男女比にもかかわらず、ペテルブルクに行った。悪いようにはしないから、と貝がすすんで責任をとってくれた。音楽が始まると彼はすぐ相手探しに行き、みごと二人の娘さんをぼくたちのボックスに連れてきた。彼女を誘って
Author: 作者 常弼宇 え·李耀林 Year 1995 Issue 6 PDF HTML