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Your search : [ author:航鷹え·趙国経] Total 2 Search Results,Processed in 0.075 second(s)
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1. 明姑娘(ミンクーニヤン)(上)
一羽毛のような雪が降りしきる川岸の公園で、ベンチに腰かけて身動きもしない男がいた。大雪で道も川もとざされ、町は銀世界、誰もいない公園で男はもう一時間以上もじっとしている。頭も肩も真っ白になり、なかば埋もれた靴に雪が入りこんで、足の感覚もなくなっているのに動こうとしない。周囲の白一色の世界は男には見えない。美しい光も色もはるかな記憶と想像の中だ。目の前にあるのは、深い闇だけ。この男は失明しているのだ
Author: 航鷹 え·趙国経 Year 1985 Issue 8 PDF HTML
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2. 明姑娘(ミンクーニヤン)(下)
五趙燦は人が変ったようになり、失明前より快活でよく話すようになった。工場では優秀な旋盤工であり、葉明明と共に教養科目を担当する教員であり、しばしば舞台に上って演奏する、民族楽器の奏者でもある。家では家事労働のベテランで、調理技術はコーチ役の明明を追いこした。洗濯はあまりしないが、それというのも、洗濯機を買ったからだ。明明と趙燦の毎週の日程は少しのひまもなく詰まっている。工場、夜間大学、復習、病院の
Author: 航鷹 え·趙国経 Year 1985 Issue 10 PDF HTML