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Your search : [ author:尤鳳偉え·華其敏] Total 2 Search Results,Processed in 0.068 second(s)
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1. プラットホーム(上)
列車が市街地を走り出たのは、もう夜もふけたときだった。遠さかるにつれて、町の灯りと喧騒は後方に棄て去られた。天候はよくなく、車窓の外はまっくら、頭上には暗雲がたちこめている。ひっそりしたなかに、ひと荒れきそうな気配であった。闇夜と悪天候は、旅客に心理的な負担をもたらさずにはおかない。いましがた窓にへばりついて都会の夜景に見いっていた旅客も、にわかに精気を失った。あくびをする、背伸びをする、何度とな
Author: 尤鳳偉 え·華其敏 Year 1983 Issue 2 PDF HTML
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2. プラットホーム(下)
四月、二人のペンキ職人は市の郊外五十キロほどのところにある洛山のふもとにやってきた。二人は、廟のペンキを塗るという興味ある仕事を受けもったのだ。この廟は海清宮といって、美しい風景のこの洛山遊覧地で、二十四景の筆頭にあげられている。「文化大革命」の初期、この格別の風格をそなえた道教の寺は、一朝にして破壊の憂き目にあい、いま、修復のさいちゅうであった。宋亮はこの仕事につよい興味をもち、彼女の意見を求め
Author: 尤鳳偉 え·華其敏 Year 1983 Issue 3 PDF HTML