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え·顧炳鑫(クーピンシン)] Total 12 Search Results,Processed in 0.089 second(s)
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1. 獄中の王若飛【第3回】
死すとも屈せず王若飛(ワンローフエイ)同志は包頭(パオトウ)警察署へつれてゆかれて、暗室のなかにぶちこまれた。空はまだ白んでいなかった。特務と警官は夜どおし動きまわってくたくたになったので、見張りの警官をひとりのこしたまま、みんなでアヘンをすいに出かけた。王若飛同志は窓の外にむかって大声でさけんだ。「この追いはぎどもめ、何のわけがあって、夜の夜中に、勝手に人をつかまえるのだ」特務たちをひきつれて王
Author: 楊植霖(ヤンチーリン) え·顧炳鑫(クーピンシン) Year 1964 Issue 1 PDF HTML
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2. 獄中の王若飛【第6回】
溶鉱炉こうした一連の闘争のなかで、監獄当局は王若飛(ワンローフエイ)同志にますます気が許せなくなり、ちえをしぼって対策をねった。韓漸逵(ハンチエンクイ)はこういう意見を出した。黄敬斎(ホワンチンチアイ)のような〈政治犯〉には強硬手段をとってもきき目がないから、上級の考えにもとづいて〈懐柔政策〉をとった方がよい。それはつまり、表面では〈おだやかに根気よく〉、かげでは〈長期にわたって用心する〉というの
Author: 楊植霖(ヤンチーリン) え·顧炳鑫(クーピンシン) Year 1964 Issue 4 PDF HTML
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3. 獄中の王若飛【第5回】
筆をにぎって闘う日光浴にでられるようになった王若飛(ワンローフエイ)同志は、そこで一部の囚人仲間と知りあい、かれらに教育工作をすすめることができたが、ここでは接触できる入数がかぎられているうえ、時間もわりあいみじかかった。その他の多くの時間は人と隔離された小部屋にとじこめられていたので、それ以外の囚人仲間にたいして宣伝をすすめることは困難だった。そこでかれは、口で宣伝するほかに、筆という武器をとっ
Author: 楊植森(ヤンチーリン) え·顧炳鑫(クーピンシン) Year 1964 Issue 3 PDF HTML
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4. 獄中の王若飛
新しく来た〈政治犯〉一九三六年夏のある昼さがり、山西(シヤンシー)省太原(タイユワン)にあった陸軍監獄に、黄敬斎(ホワンチンチアイ)という〈政治犯〉が押送されてきた。黄敬斎というのは王若飛(ワンローフエイ)同志の変名だった。かれは獄房でも、足かせをはめられていた。獄中生活にすっかり慣れていたかれは、獄舎に入るとすぐに、獄中の同志たちの状況を理解しようとして、われわれにつぎつぎと話しかけてきた。はじ
Author: 喬明甫(チヤオミンフー) え·顧炳鑫(クーピンシン) Year 1964 Issue 8 PDF HTML
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5. 獄中の王若飛【第11回】
絶食闘争われわれと〈普通犯〉との間柄は、ますます親しいものになった。日常の話しあいのなかで、獄内での臭い飯への不満がさかんにぶちまけられた。食事はふつう、臭い粟めしだけで、おかずなしだった。たまに出るおかずは、すえてすっぱくなった大根の葉がほんのわずかだった。おまけにおかず係の老劉(ラオリユウ)という看守は、アヘン中毒者みたいな青い顔をし、からだじゅうに梅毒の瘡(かさ)ができていた。おかずをわける
Author: 喬明甫(チヤオミンフー) え·顧炳鑫(クーピンシン) Year 1964 Issue 9 PDF HTML
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6. 獄中の王若飛【最終回】
出獄全国人民のあいだで抗日の気運がもりあがり、抗日統一戦線がつくられると、奸智にたけた閻錫山(イエンシーシヤン)はうわべだけでもつくろうために、抗日に参加することを表明した。じつは〈抗日〉の名のもとにわれわれ〈政治犯〉を抱きこんで、勢力拡大をはかろうというこんたんだったのだ。かれは王若飛(ワンローフエイ)同志のもとへいくども人をさしむけ、出獄後は偽山西(シヤンシー)省政府の要職に着くようにとすすめ
Author: 喬明甫(チヤオミンフー) え·顧炳鑫(クーピンシン) Year 1964 Issue 10 PDF HTML
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7. 獄中の王若飛
はがねの心冬がやってきた。塞外の気候はつねに零下二十数度まで下がった。獄房には火の気もなく、夜のしとねはつめたく、同志たちは寒さにこごえて死線をさまよっていた。ことに足かせをはめている同志などは、かせをはめるとズボンをはくのにこまるので、ズボンのまたを裂いてひもでしばっていたが、こうすると寒風が吹きこみ下腹がすっかり冷えきって、まったくたまったものではない。食事はまい日二食、あいかわらずのアワ飯で
Author: 楊植霖(ヤンチーリン) え·顧炳鑫(クービンシン) Year 1964 Issue 2 PDF HTML
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8. 獄中の王若飛【第7回】
三毛の入党王若飛(ワンローフエイ)同志に監視をつける監獄当局の計画はつぎつぎに失敗した。そのうえ韓漸逵(ハンチエンクイ)みずからのり出してみたものの、これまた痛撃をうけてしまった。敵はひじょうに狼狽した。そこへ、蒙古族の三毛(サンマオ)という青年をいれかえてみてはと提案する者がいた。第一に、三毛は民族意識のたいへん強い蒙古族の人間である。少数民族を差別待遇する反動派の民族圧迫政策によって、民族間の
Author: 楊植霖(ヤンチーリン) え·顧柄鑫(クーピンシン) Year 1964 Issue 5 PDF HTML
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9. 獄中の王若飛【第8回】
黄平の裏切り行為を批判するある日わたしたちが獄房でむだばなしをしていると、仲間の一人が鉄窓によじのぼってきて、外から小さな紙玉をなげいれた。わたしがうけとって、ひらいてみると、その紙には小さな文字がぎっしり書きこまれていた。みごとな筆跡からそれは王若飛(ワンローフエイ)同志の書いたものだと解った。わたしたちは待ち望んでいたので一気に読みくだした。文章の冒頭は、明代の民族英雄于謙(ユイチエン)の焚石
Author: 楊植霖(ヤンチーリン) え·顧炳鑫(クービンシン) Year 1964 Issue 6 PDF HTML
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10. 獄中の王若飛 【第9回】
胸うつ手紙出獄の日があと数日にせまったので、王若飛(ワンローフエイ)同志ともういちど会って話をしたかったが、残念なことにその機会がなかった。ある日の〈日光浴〉の時間に、手洗いの入り口で王若飛同志と会ったが、あたりに人が多くてこみいった話はできなかった。わたしは王若飛同志に、かんたんに言った。「近々出ますが、何か用事がありますか」王若飛同志はちょっと思案し、すぐ、「叔父が来ている。手紙を渡したい」「
Author: 楊植霖(ヤンチーリン) え·顧柄鑫(クービンシン) Year 1964 Issue 7 PDF HTML