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え·劉勃舒] Total 8 Search Results,Processed in 0.090 second(s)
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1. 李双双(リースワンスワン)小伝(上)
一李双双(リースワンスワン)は、うちの公社の孫荘(スンチワン)大隊にいる孫喜旺(スンシーワン)の女房で、今年二十六か七になる。人民公社になる前、大躍進の前までは、「双双」という名前を知つている者なぞ、この村にもあまりいなかつた。まだ若いのに、子供はもう三人もいる。高級協同組合のころは畑仕事に出ることもめつたになかつたし、麦刈りの忙しい時など何十日か働くようなことはあつても、それはみな夫の喜旺の働き
Author: 李准 え·劉勃舒 Year 1960 Issue 8 PDF HTML
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2. 李双双(リースワンスワン)小伝(下)
四麦の収穫がおわつてから、全郷に人民公社ができ、孫荘(スンチワン)は人民公社の生産隊の一つになつた。この時にはもう黒山(ヘイシヤン)の貯水池ができていたし、紅石河(ホンシーホー)の用水路もほつてあつた。用水路をとおつてきれいな水が孫荘を流れ、村の畑はのこらず水田になつた。公社ができてからみんなの意気込みはいつそう大きくなつて、公社の力も充実した。黒山貯水池のほとりには煉瓦づくりの工場が建ちならび、
Author: 李准 え·劉勃舒 Year 1960 Issue 9 PDF HTML
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3. 救援
製鋼所の建設資材を満載したトラツクが、キイーツという音をたてて、きわどく止まつた。若い運転手はカツとなつてドアをあけるなり、外へむかつてどなりつけた。「聞こえないのか、このラツパが!事故が起きたらどうするんだツ」しのつく雨のなかから、よろめきながら人影が走つてきた。見ると雨ガツパでつつんだ大きな荷物をぐつと抱えた軍服姿の偉丈夫である。背中にはこうりとふろしき包みを二、三コ背負つて、ぐしよぬれの全身
Author: 馮徳英 え·劉勃舒 Year 1961 Issue 8 PDF HTML
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4. 新兵と分隊長
ひるすぎ、荷物をつんだ四頭だての馬車が、連隊本部を出発した。御者は肩につぎの当ったふるい綿入れ上着を着こみ、破れかかった毛皮の防寒帽をかぶっている。下におろした帽子の耳あてが、しきりと風にあおられている。その浅黒い顔は、ふるい軍服がよく似合い、いっそうがんじょうでたくましく見える。正門を出てから御者の兵士が荷車に立って鞭をあてると、馬車は大道ぞいに、副業基地をめざして駆けはじめた。そのとき、御者の
Author: 阿斯爾(アスル) え·劉勃舒(リユウポーシユウ) Year 1964 Issue 11 PDF HTML
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5. 崔金花
一三月も半ばをすぎると、気候はにわかにゆるんできた。野山はうす緑にかわり、柳の枝も若芽をふきだした。春雷一声、油のように貴重な春雨がしとしとと降りだして、野山は絹のような小ぬか雨の中にすがすがしくうるおった。省委員会からの通達により、わたしたちがいま建設している水力発電所は、発電量を、予定よりも六割方ふやすことになった。これは農業技術改革の需要に歩調を合わせるための措置だった。そのためには、まず貯
Author: 茅蘆(マオルー) え·劉勃舒(リユウポーシユウ) Year 1965 Issue 7 PDF HTML
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6. 耕雲記
ことしの春、わたしが玉山(ユイシヤン)人民公社へいつたときのこと、途中で雨がぽつぽつふりだした。県道のかたわらに草ぶきの小屋があつたので、みんなその中にひしめきあつて雨やどりした。みんなは、笑いさざめきながらいい雨になつてくれたと話しあつていた。そのとき県道を一人の娘が走つてきた。十八、九だろうか、丈が高く、ビツシヨリ雨にぬれた衣服はいつそうかの女をすらりと、健康そうに見せた。つぶらなひとみには、
Author: 李准 え· 阿老 Year 1961 Issue 11 PDF HTML
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7. 耕雲記(下)
あのとき霜にうちかつていらい、党委員会は、この測候所に、大した力のいれようです。うち出したスローガンは、「党書記が先頭に立ち、在来式と近代式を結びつけ、自力にたよつて、正確な予報を」というのです。また大衆のなかに広はんに気象知識を宣伝するほか、うちの測候所のために気象がかりを配置してくれました。生産隊長はみな気象知識を学ばなければならず、定期的に試験もします。そのなかには兄もくわえられました。「在
Author: 李准 え·阿老 Year 1961 Issue 12 PDF HTML
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8. 清明節の雨
一清明節のあとに降りだした雨が、そぼそぼと降りつづいていつ止むという気配もない。おんどりが三度ときを告げたとき、小陳岩(シヤオチエンイエン)生産隊長の陳明遠(チエンミンユワン)じいさんは、もう床のうえに起きあがっていた。夜どおし降りつづいた雨のため、じいさんはまんじりともしなかった。じいさんが眠れなかったわけは、草ぶき屋根の雨漏りのせいではなかった。生産隊の四〇ムーの綿畑が心配でならなかったのだ。
Author: 李准(リーチユン) え·翁乃強(ウオンナイチヤン) Year 1964 Issue 10 PDF HTML