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Your search : [ author:尤鳳偉 え
·童介眉] Total 914 Search Results,Processed in 0.094 second(s)
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1. 賭け
嫁の来手もない貧乏村で、ちょっとした騒ぎがもちあがった。おかしな一枚の証文が皮切りになって……。おれの戦友で、入党のときの紹介人でもある趙東昇(ズアオトンシセン)は、除隊して郷里に帰ったきり、何度手紙を出してもウンともスンともいってこない。彼への手紙をポストに入れることは、海に投げこむのと同じで、あぶくひとつ上がってこない。東昇の写真に、この野郎!
Author: 尤鳳偉 え ·童介眉 Year 1981 Issue 7 PDF HTML
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2. 賭け
賭けで勝ったからといって、娘をよこせなんて言えるもんか。おれは証文に火をつけて燃やしてしまったが……。この日の夜ふけ、おれは月の光をかりて村はずれの田畑でうろついていた。つらなる山々、広がる田畑、芽の出はじめた麦を見ながら、おれは先祖代々のこしてくれた土地を見て自分に問いかけた。富裕の扉をひらく鍵はどうすればみつかるのかと。あれこれ考えながら歩きまわっているうち夜を徹してしまった。いつのまにか月が
Author: 尤鳳偉 え·童介眉 Year 1981 Issue 8 PDF HTML
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3. 愚公 山を移す
『列子·湯問』から。外への出入りを阻む門前の山を取り除けようと決意した愚公の故事。どんな困難にもくじけない頑強な意志のたとえに。自然を改造する大プロジェクトの“合言葉”。
Author: え·童介眉 Year 1990 Issue 11 PDF HTML
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4. 傍若無人
『史記·刺客列伝』の荊軻(けいか)伝「高漸離(こうぜんり)、筑(ちく)を撃(う)ち、荊軻和して市中に歌い、相楽しむ。已(や)みて相泣き、傍(かたわ)らに人無きが若(ごと)し」と、『晋書、王猛伝』の「虱(しらみ)を捫(ひね)って言い、傍らに人無きが若し」が出典。ここから「傍(ぼう)若(じゃく)無(ぶ)人(じん)」は、人目を気にせず、誇りを秘めてしぜんに振るまうことをいう。
Author: え·童介眉 Year 1991 Issue 11 PDF HTML
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5. プラットホーム(上)
列車が市街地を走り出たのは、もう夜もふけたときだった。遠さかるにつれて、町の灯りと喧騒は後方に棄て去られた。天候はよくなく、車窓の外はまっくら、頭上には暗雲がたちこめている。ひっそりしたなかに、ひと荒れきそうな気配であった。闇夜と悪天候は、旅客に心理的な負担をもたらさずにはおかない。いましがた窓にへばりついて都会の夜景に見いっていた旅客も、にわかに精気を失った。あくびをする、背伸びをする、何度とな
Author: 尤鳳偉 え·華其敏 Year 1983 Issue 2 PDF HTML
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6. プラットホーム(下)
四月、二人のペンキ職人は市の郊外五十キロほどのところにある洛山のふもとにやってきた。二人は、廟のペンキを塗るという興味ある仕事を受けもったのだ。この廟は海清宮といって、美しい風景のこの洛山遊覧地で、二十四景の筆頭にあげられている。「文化大革命」の初期、この格別の風格をそなえた道教の寺は、一朝にして破壊の憂き目にあい、いま、修復のさいちゅうであった。宋亮はこの仕事につよい興味をもち、彼女の意見を求め
Author: 尤鳳偉 え·華其敏 Year 1983 Issue 3 PDF HTML
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7. 神筆の馬良
むかしむかし、馬良(ばりよう)(マー·リヤン)という子供がいました。お父さんやお母さんにはやくから死にわかれ、ひとりで薪とりや草かりをしてくらしていました。馬良は生れつきかしこく、それに絵がなによりもすきで、絵をかきたいと思わぬ日はありませんでしたが、貧乏のため、筆一本買えませんでした。ある日のこと、塾の前をとおりかかつた馬良は、塾の先生が絵を描いているのを見て、矢も楯もたまらず、そのままつかつか
Author: え·張光宇 Year 1958 Issue 1 PDF HTML
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8. 錦のゆくえ
これは中国の少数民族、チワン(僮)族の間につたわるお話です。むかし、ある大きな山のふもとに一軒のあばら家がありました。そのあばら家には夫に先立たれた一人のおばあさんと三人の息子が住んでいました。おばあさんは錦織りがたいへん上手でした。おばあさんの織つた錦の模樣は、花でも小鳥でもみんなほんものそつくりです。おばあさんの家では、その錦を賣つてくらしを立てていました。その日もおばあさんは手織りの錦を賣り
Author: え·顔梅華 Year 1958 Issue 4 PDF HTML
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9. 中国の印象
私の中国訪問は、一九五四年十月、国慶節のお招きを受けて、約一カ月、中国各地を訪問したのが最初で、今回は二回目です。五年半ぶりにみる中国は、北京はじめ、各地とも、大建築が完成し、面ぼうを一変していてその躍進ぶりには、眼をみはらざるを得ないわけですが、二回の訪問を通じて、私の受けた印象を、一言でいえば、中国は、婦人にとつての、正に天国だということです。人間の表情が柔和で、しかも非常に明るい。子供は、人
Author: 齊藤きえ Year 1960 Issue 8 PDF HTML
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10. 銀のかんざし
むかし、あるところにおばあさんが二人のむすこと住んでいました。二人のむすこは、毎日山へ柴刈りにゆき、それを売って、おっかさんを養っていました。山へゆく途中で、息子たちは毎日のように一人の娘をみかけました。娘は井戸ばたで洗濯をしているか、さもなければ、田のあぜで牛にやる草を刈っていました。むすこたちは、二人ともこの娘がたいへん好きになり、お嫁にもらいたいものとひそかに考えていました。けれどお互いに口
Author: え·李玉紅 Year 1964 Issue 9 PDF HTML