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1. 民芸品に没入する爾冬強さん
シリーズ「コレクター訪問」の第2回は、上海に住む爾冬強さん。その心をとらえ、その生活の中にどっかと腰をすえ、狭い家をますます狭くしているのは、日本の追儺(ついな)(鬼やらい)のルーツかと言われる「儺戯(ヌオシー)」の仮面、雑囊(ざつのう)、ぬいぐるみ、木版年画、泥細工、竹細工など、さまざまの民芸品だ。爾さんは32歳、フリーのライター兼カメラマンで、香港や台湾のグラフ雑誌などにしばしば寄稿し、また『
Author: 写真·文 魯忠民 Year 1991 Issue 4 PDF HTML
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2. 陝西省北部の拴娃(ショアンワ)石
中国では、獅子をテーマにした彫刻、紋様、演し物などが多くて、いたるところで目につく。古都西安の唐代帝陵の獅子や北京の紫禁城の銅獅子をはじめ、めでたい日の獅子舞い、獅子の群れが美しい珠を争うサーカスにいたるまで、数え上げればきりがないほどだ。それに、造形も演技も、練りぬかれて、どれもみごとだ。獅子の故郷は、アフリカ、印度、南アメリカなのに、中国でどうしてこんなに人気があるのか。それは仏教と関係がある
Author: 写真·文 魯忠民 Year 1991 Issue 11 PDF HTML
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4. 仏教と道教の聖地 天台山
浙江省の天台山といえば、中国天台宗の発祥地、また、中国道教の南宗の発祥地で「仏宗道源」の名勝だ。主峰の華頂山(一〇九八メートル)をはじめ赤城、瀑布、仏隴、香炉、桐柏等の諸山には古代文化と宗教文化が満ちている。三国時代の呉の赤烏年間(二三八~二五一)に天台山に入った仏教は、隋の煬帝から智者大師の称号を贈られた智顗(ちぎ。五三八~五九七)によって、中国天台宗となった。唐代、鑑真和上が天台山国清寺から『
Author: 写真·文 魯忠民 Year 1993 Issue 2 PDF HTML
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5. 世界の屋根―チベット(その一)ラサ
二十一世紀はチベットが世界の旅行者に最も注目されるだろうと、国連あたりでもいわれているので、昨年十月に約一カ月、チベットの各地を回ってみた。それを五回に分けてご紹介する予定で、今回はまずラサから。チベット自治区は、面積約一二〇万平方キロ、全中国の約八分の一を占め、平均海抜四〇〇〇メートル以上、地球陸地の第三の極とされ、地勢が最も高く地質年代が最も若い土地だ。地球の最高峰チョモランマ、地球の最高地の
Author: 写真·文 魯忠民 Year 1993 Issue 3 PDF HTML
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6. 世界の屋根―チベット(その二)山南
チベットは広大で、名勝古跡は無数といえるが、一般向き観光には、五つの代表的コースがある。ラサ、昌都、山南、シガゼ(日喀則)、阿里の各コースだが、阿里は現在のところかなりキツイ。おすすめは、ラサ、山南、シガゼの三コースだろう。今回ご紹介するのは、チベット族発祥の地とされる山南。地理的にはガンディセ山脈の南、ヒマラヤ山脈の北、大河ヤルンザンボの中流で、北はラサ、西はシガゼ、東はニンチ(林芝)、そして南
Author: 写真·文 魯忠民 Year 1993 Issue 4 PDF HTML
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7. 世界の屋根―チベット(その三)
われわれはサムエ寺(桑耶寺)をめざして、まず山南のゼタン(沢当)を出発した。ヤルンザンボ川に沿って西へ四〇キロで、渡し場に着く。エンジンつきの木造船が待っていた。国内各地から参拝に来たチベット族の仏教信者や、外国人観光客で船はいっぱいだ。やがてするすると船は滑り出し、四川省に住むチベット族のたくましい男やきれいな娘たちの談笑する声が明るく響く。それもすぐ歌に変わった。歌声は高い空に吸いこまれていく
Author: 写真·文 魯忠民 Year 1993 Issue 5 PDF HTML
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8. 世界の屋根―チベット(その四)シガゼ
シガゼ一帯はヤルンザンボ川南部の広大な「後蔵」(後ろチベット)地区の一部。チベットは昔、康、衛、蔵と阿里の四地区に分かれていたが、清の雍正年間に、康の寧静山以東の地は四川省に属し、以西は衛と合併して「前蔵」(前チベット)となり蔵は「後蔵」と称するようになったのである。「後蔵」は、ラサより名勝旧跡が多い。世界第一の高峰、チョモランマ峰、英雄の地·ギャンゼ(江孜)、歴代のパンチェンラマ統治の中心地であ
Author: 写真·文 魯忠民 Year 1993 Issue 6 PDF HTML
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9. 世界の屋根―チベット(その五)樟木(ザンム)
シガゼ(日喀則)から西南に向かってザンム(樟木)までおよそ四〇〇キロ、途中のティンリ(定日)で一泊するのがふつうだ。翌日ここからロンプ(絨布)寺に寄ってあのチョモランマ(エベレスト)を見る人たちもいる。しかしチョモランマはザンムへのコースからもその雄姿が見られるし、ちょっと公路を外れた所からはシシャバンマも姿を見せる。やがてニャラム(聶拉木)の町に着いた。小さな町だ。ここから一時間ほどでザンムだが
Author: 写真·文 魯忠民 Year 1993 Issue 7 PDF HTML
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10. 南京の亀の博物館
江蘇省の省都南京は、中国西大古都の一つとして有名な観光地だが、その西端に位置する烏竜潭に、1990年10月、中国で初めての亀の博物館「江蘇南京亀鼈(きべつ)博物館」がオープン、すでに数十万人もの内外の観光客を集めている。もともと烏竜潭は、樹木の生い茂る庭園のあちこちに亭閣が建ち、「小西湖」と呼ばれるほどの景勝の地だったが、打ち続く戦乱のためすっかり荒れ果ててしまった。1940年代末には全くの廃虚と
Author: 写真·文 魯忠民 Year 1993 Issue 10 PDF HTML