Current Location: Home » Full Text Search
Your search : [ author:写真·文 任兆曇(レンチャオユン)] Total 488 Search Results,Processed in 0.097 second(s)
-
451. 北京の夏
北京の夏は、毎年いきなりやって来る。梅雨がなく、春が短い北京では、オーバーを脱いだと思ったら、心の準備も間に合わないまま、半袖のシャツを着て歩くようになる。日中の気温は40度をかるく超え、午後12時から4時までは、昼寝以外、本当は何もしたくない。決死の覚悟で機材をかついで街に出ると、水分補給のための鉱泉水(ミネラルウォーター)を求めて、売店から売店へと、はうように進むことになる。でも、私は、北京の
Author: 写真/文·佐渡多真子 Year 2003 Issue 7 PDF HTML
-
452. 熱狗(Re gou)
ある夏の日、北京のペット売り場で、生まれて二カ月の子犬がミネラルウォーターのボトルを枕に昼寝をしていた。こんなに小さな子犬でも、水の上が冷たいとわかるなんて、おりこうなんだなーと思う。そういえば、ちょっとIQ低めの我が家の犬も、季節ごとに、お気に入りの場所があるし、友人の猫も、いつでも陽だまりを見つけ、うらやましいほどに、デーンとくつろいでいる。動物のかしこさは、どこも同じかもしれないけれど、北京
Author: 写真/文 佐渡多真子 Year 2003 Issue 8 PDF HTML
-
453. フラフープ
日本でフラフープが流行ったのは一九五〇年代だろうか。私が小さいころには、もうすでにあまり盛んではなかったけれど、それでもかすかな記憶が残っている。王府井で見かけた子供の姿が、ふと、そんなころの思い出と重なった。ちょうど日本で高度成長期が始まったころ、我が家は小さな団地に引っ越し、私はうれしくて部屋中はしゃぎまわっていた。初めて使った冷蔵庫を何度も開け閉めして喜んだり、洗濯機の回るのをいつまでもいつ
Author: 写真/文 佐渡多真子 Year 2003 Issue 9 PDF HTML
-
454. 愛国心
国慶節の天安門広場は、中国各地からの家族連れでにぎわう。私は毎年、そんな姿を少しうらやましく見つめている。中国に来て間もないころ、中国人の友達に「あなたは中国が好き?」と尋ねたことがある。そうしたら、「え?何でそんな当たり前なことを聞くの?」と、目を丸くされてしまった。たしかに、自分の国を愛するのは、家族や故郷を思う気持ちと同じように自然なことかもしれない。日本は、世界的に見れば、治安もいいし、恵
Author: 写真/文佐渡多真子 Year 2003 Issue 10 PDF HTML
-
455. 自由市場
東郊市場は、食品、家電、昔懐かしい日用雑貨まで何でもそろう、北京でも有数の自由市場。売り子さんに営業時間を聞いてみると、「太陽が昇ってから、沈むまで」と、答えが返ってきた。ここの人たちは、時計に縛られないで暮らしているようだ。そんな彼らの後ろには、現代城(SOHO)という、住居·オフィス一体型の最新マンション群がそびえ立つ。現代城の住人は、編集者や芸術家、起業家など、クリエイティブで先進的な仕事を
Author: 写真/文 佐渡多真子 Year 2003 Issue 11 PDF HTML
-
456. 氷湖
北京に来て、初めて凍った湖の上に立ったとき、「氷が割れたらどうしよう」と、ドキドキしながら水の上にいるという不思議な感覚を楽しんだ。北京の冬は寒い。雪こそ多くないが、乾燥した気候の中、マイナス15度まで気温が下がると、心の芯までジーンと冷え込むつらい季節となる。けれども、そんな寒さに凍った湖は、子供たちの格好の遊び場となり、椅子型のそりをこいで、何時間も疲れを知らずに遊ぶ子がいる。「寒くないの?」
Author: 写真/文 佐渡多真子 Year 2003 Issue 12 PDF HTML
-
457. 恋人たちの風景1
ある晴れた日曜日、頤和園で素敵なカップルに出会った。とても素朴そうな二人に魅かれ、思わず声をかけてみた。二人ははにかみながらも、初めて出会った外国朋友(ワイグオボンヨウ)への儀礼のようなものからか、私の質問に一生懸命答えてくれる。大事なことは「自分がすべきことは、どんなに難しくても達成すること」という彼と、「ただ、真面目に生きていければそれでいいと思う」という彼女。写真を撮らせて欲しいと頼んでみる
Author: 写真·文 佐渡多真子 Year 2004 Issue 1 PDF HTML
-
458. 恋人たちの風景2
紫竹院公園で出会ったカップル。2人は公園の近くにある民族大学に通っている。中国には、56の民族が共存しているといわれるが、彼らは回族だそうだ。私の狭い世界の中では、自分の常識や価値観が、ある枠の中で固まっていて、なかなかその殻を破ることができない。けれども、外国、しかも北京のような大都市で暮らしていると、中国の人だけでなく、様々な国の人たちと知り合う機会があり、自分の価値観が、日本だけでしか通じな
Author: (写真·文 佐渡多真子) Year 2004 Issue 2 PDF HTML
-
459. 恋人たちの風景3
恋人たちの風景3二人は留学時代からの友人。学校内の宿舎に住んでいたこともあって、いつでも一緒にいるような熱々のカップルだった。日系の企業に就職が決まり、彼は卒業と同時に北京を離れ南京に赴任した。それからしばらく、彼女は元気がなくなってしまい、私はそんな彼女を元気づけようと、展覧館のブライダルフェアに誘った。花嫁衣裳のファッションショーを見ていると、彼女はかえって落ち込んでしまったのか、しくしくと泣
Author: 写真·文 佐渡多真子 Year 2004 Issue 3 PDF HTML