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え·曹延路] Total 3 Search Results,Processed in 0.083 second(s)
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1. 重大な瞬間
ものすごい雹にみまわれて、羅(ロー)村管理区の東側の十二カ村のものは、どうなることかと焦らだたしい気持にかりたてられぬ者はなかつた。言つてみればこの雹は手ぐすねひいて待ちかまえておいて、一度にどつと叩きつけて来た感じだつた。降りようもはげしければ、被害をうけた面積もひろかつた。まず夏に入つて五十日間というもの、ゴマ粒ほどの雨も降らず、空には鶏の羽毛ほどの雲の影さえなく、摂氏四十何度という高温の日が
Author: 王汶石 え·曹延路 Year 1960 Issue 7 PDF HTML
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2. 大工の王さん(上)
一その日の朝、めずらしく野良は靜まりかえつていた。陽はもうかなり高かつた。が、野良に出て働く者は誰もいなかつた。村人たちはみんな村の通りや町に出る道にあつまつてガヤガヤ言つていた。手提籠をかかえたり、袋をかついだり、一輪車をおしていたり、なかにはゴムタイヤの馬車をひいているものもいたが、みんなこれから町の市(いち)に出かけようというのだつた。小麦の取入れから夏の農繁期に入り、秋も深くなつたいままで
Author: 王汶石(ワンウエンシー) え·吳靜波(ウーチンボー) Year 1958 Issue 11 PDF HTML
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3. 大工の王さん(下)
市(いち)のさきは街の通りにつづいていた。そこをまがると、鍛冶屋の店先に出る。今では鉄業協同組合の作業班の一つになつていた。そこの、昔の親方で、今は班長をやつている張さんは、王さんのよい協力者だつた。彼はニツコリ眼であいさつして王さんを迎えた。ちようど鉄床を前にしていたが、最後の一槌を打ち終ると、ヤツトコにはさんでいたシヤベルを炉のそばにほうり出した。王さんは煙だらけの炉のそばに寄つてゆくと、「い
Author: 王汶石(ワンウエンシー) え·吳靜波(ウーチンポー) Year 1958 Issue 12 PDF HTML