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Your search : [ author:張抗抗 え·倪震] Total 3 Search Results,Processed in 0.090 second(s)
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1. 夏(上)
一半袖一枚の季節でなかったら、こんなことはおきなかったかもしれないが、ついていなかったというべきだろうか。四時限の課外活動は、おれたち中国文学部と物理学部でバスケットボールの試合をやることになっていて、おれはフォワードで出場しなくてはならない。図書館を出てコートへ来てみると、もう大勢がまわりをとりかこんでいる。急いでランニング一枚になると、脱いだシャツを木の枝にほうり上げ、二、三回、固くなった腕を
Author: 張抗抗 え·倪震 Year 1982 Issue 9 PDF HTML
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2. 夏(下)
四いきなり強烈な朝の光を浴びて、はっと目がさめた。北国の夏は、いつもこんなふうにせっかちに夜が明ける。ゆうべはよく眠れなかった。自分の浅薄と無知を思い知ったわけだが、これはあまり愉快なことではないから。植物の緑の葉が大気を浄化するように、この浅薄と無知を、なんとかもう少し、深く聡明に変えられないものか。もう眠れそうにもないので、起き出して運動場へ出てみたが、朝の空気は思ったほど新鮮ではなく、あたり
Author: 張抗抗 え·倪震 Year 1982 Issue 10 PDF HTML
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3. 雪原の女性鉄道敷設班
一厳冬の十二月のある日。昼ごろのことである。身を切るような西北風に運ばれてきた雪の花は、はてしない空を狂い舞い、旋回しては広漠たる砂漠に吸いつけられるように落ちる。かと思うと、それはたちまち烈風に巻き上げられ波濤となって、前へ、前へとつき進んでゆく。かなたには、雄大なボグダ峰が銀色の輪郭をかすかに見せている。ある鉄道建設現場のテントの中では、ストーブが燃えさかり、たばこの煙が立ちこめている。緊急生
Author: 段宝珊 え·倪震 Year 1976 Issue 5 PDF HTML