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Your search : [ author:韶華 え·高栄生] Total 25 Search Results,Processed in 0.101 second(s)
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21. 道
大雪の朝、父が息子を連れて外出しました。私のうしろを歩きなさい、と父は何度も言うのですが、息子は……大雪が降り、道路をふさいでしまいました。雪の上を、人が歩きはじめました。でもみんな、一人分の幅の狭い道を行き来するだけです。はじめは雪が積もっていたところですが、歩く人が多くなったおかげで、雪がとけてしまいました。それが、いま道になっているのです。彼は、その道を歩いているところです。十歳になる息子が
Author: 作者 劉国芳 え 高栄生 Year 1994 Issue 5 PDF HTML
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22. 宵待草の鉢
この宵待草の鉢が、二人の感情を破裂させる導火線となった。すべてが、その日に終わった。彼と彼女は、初めはたいそう幸せだった。幸せな日々は時とともに流れてゆき、幸せという状態がだんだん微妙に変わっていった。そしてあるとき、それぞれがそのことをさとった。軽い失望感が心のなかに生まれたが、どちらもそれを口に出すことはしなかった。ある日、二人の生活の中に鉢植えの宵待草が加わった。彼女がわざわざ花市から買って
Author: 作者 薛涛 え 高栄生 Year 1994 Issue 8 PDF HTML
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23. 愛のそらごと
この短編は、人民解放軍編集の雑誌『菎斎』に掲載されたもので、主人公の夫も軍人という設定になっています。妻が、礼儀小姐(リーイーシヤオジエ)(ホテル、レストラン、商店などの入り口で客を送迎する女性)コンテストに出る、と言う。これには全く仰天させられた。だがもっと驚いたのは、僕がろくに考えもせず、しかもにっこり笑ってOKし、誠意と理解を顔ぢゅういっぱいにしたことだ。僕にこの話を切り出したとき、妻は頬を
Author: 作者 范紅斌 え·高栄生 Year 1994 Issue 12 PDF HTML
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24. 安全運行を支える人びと
北京の一月は、まだ北風が肌を刺す寒さだ。あちこちにつららがさがっている。ところが、北京国際空港のラウンジは、エア·コンディショナーで調節されているせいか、まるで小春日和の温かさである。美しいみどり色の冬青(そよご)をはじめ、鉢植えのはまなす、ジャスミン、ばらの花の香りがふくいくとただよう。ラウンジには、世界各国からの旅客や中国の旅行者たちが、搭乗前の手続きを済ませたり、ソファーのところで親類、友人
Author: 韶華 炳炎 Year 1981 Issue 4 PDF HTML
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25. 壁
新任の省最高責任者を待ち受けていたものは何か。 官僚主義にメスを入れる。余志亮はこの、省(地方行政区画)の党委員会第一書記(知事クラス)として赴任してきたばかりだ。宿舎も三カ所ばかり見たが、気に入ったのがないので、家族はまだ越して来ていない。とりあえず省の来賓用宿舎である賓館に泊っている。省委員会の主だった人たちと顔合わせをしただけで、まだ仕事を始めないうちに、ひどい風邪で寝込んでしまったのだった
Author: 韶華 え·潘世勲 Year 1980 Issue 7 PDF HTML