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Your search : [ author:作者 李維明 え·穆永瑞] Total 74 Search Results,Processed in 0.117 second(s)
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21. 小城に名医なく
城は、中国語では都市のこと。 とある小城で、こんなことが起こったのです。燕省吾は、代々中医の家柄、時に五十歳、あから顔で、髪もあごひげも白い。小城のあらこちの通りで、ゆったりと歩くそのすがたが、よく見られたものです。燕先生は、貴賤貧富、老若美醜、肌の色や愚者賢者など、一切の違いを問うことなく、来る者すべてを身内のように遇しました。どのような難病であれ、燕先生がひとたび脈をとり処方箋を書けば、三服で
Author: 作者 馬宝山 え· 李耀林 Year 1994 Issue 2 PDF HTML
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22. 茶仙
彼らはため息をついて言いました。スゴい―まことの茶仙だ!謝宝興は百歳の仙寿をむかえました。それは全く以て、お茶をたしなんできたおかげでした。謝屋は、数千人の人が住む大きな村で、平野に面し、後ろに丘をひかえています。謝宝興の父はお茶の葉だけを売るささやかな店をやっていましたので、謝宝興も子どものときからお茶にどっぷりつかって大きくなりました。父親は言ったものです。この子には天分があるぞ。いちど竜井茶
Author: 作者 姚錦波 え·高栄生 Year 1994 Issue 3 PDF HTML
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23. 道
大雪の朝、父が息子を連れて外出しました。私のうしろを歩きなさい、と父は何度も言うのですが、息子は……大雪が降り、道路をふさいでしまいました。雪の上を、人が歩きはじめました。でもみんな、一人分の幅の狭い道を行き来するだけです。はじめは雪が積もっていたところですが、歩く人が多くなったおかげで、雪がとけてしまいました。それが、いま道になっているのです。彼は、その道を歩いているところです。十歳になる息子が
Author: 作者 劉国芳 え 高栄生 Year 1994 Issue 5 PDF HTML
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24. 半本に減ったろうそく
突然、画面のそうぞうしい人の群れが姿を消し、部屋が真っ暗になった。その日私は出張で、北方の小さな見知らぬ町に着き、普通の旅館に宿をとった。入ってくる人も出てゆく人も、知らない顔ばかりだった。部屋にはベッドが三つあった。夜になったが、まだ私ひとりだ。いつどんな人が入って来るかも知れず、私は不安だった。テレビの画面はパッパと変わって、いろんな人を映している。私は、いくらか気が楽になってきた。突然、画面
Author: 作者 謝志強 え·李耀林 Year 1994 Issue 6 PDF HTML
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25. 宵待草の鉢
この宵待草の鉢が、二人の感情を破裂させる導火線となった。すべてが、その日に終わった。彼と彼女は、初めはたいそう幸せだった。幸せな日々は時とともに流れてゆき、幸せという状態がだんだん微妙に変わっていった。そしてあるとき、それぞれがそのことをさとった。軽い失望感が心のなかに生まれたが、どちらもそれを口に出すことはしなかった。ある日、二人の生活の中に鉢植えの宵待草が加わった。彼女がわざわざ花市から買って
Author: 作者 薛涛 え 高栄生 Year 1994 Issue 8 PDF HTML
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26. スイカ選び
黒竜江省西北部に広がる嫩江(どんこう)の一帯は、かつて北大荒と呼ばれ、多くの下放青年が開拓に汗と涙を流した基地でした。スイカが出回る季節になると、老王(ラオワン)の勤めから帰る時間がいつもかなり遅くなる。はじめのうち女房は、そんなに遅くなることに仏頂面をしていたが、やがてがみがみ言うのが自分でもいやになり、したい放題にさせることにした。ありがたいことに、ばくちや女遊びをしているわけではない。あまり
Author: 作者 蕭復興 エ·葉曙光 Year 1994 Issue 9 PDF HTML
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27. 呂家の兄妹
毎朝妹がきちんとしたみなりで出かけてゆくのを見ると、いつも兄の目に羨望と苦痛の色が浮かんだ。呂家は、このあたりでは名家だった。おじいさまの代は有名な中医だった。父親は医大出の西洋医で、医術もりっぱと言われていたが、「女性問題」で病院を首になった。妻は離婚してほかの男と再婚し、二人の子どもが彼のもとに残された。この時期は家で医院を開き、中西両方を診ていたので、暮らしは相当なものだった。やがて文化大革
Author: 作者 劉進元 え·李耀林 Year 1994 Issue 10 PDF HTML
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28. 大きなスッポン
このスッポンは神様じゃ! と家族のみんなが驚いた。大水が出て、一匹のスッポンが浜辺に流されてきた。男の子がやってきてそれを見つけ、大きいなあ!とびっくりした。彼はしゃがんでスッポンを抱き上げ、家に持って帰ろうとした。だが重くてだめだ。まわりを見たが、広い浜辺には人っ子一人いない。彼はじだんだを踏んでそのまわりを歩いた。突然、彼は走りだした。お母さんを呼んできて助けてもらうんだ。母親は家にいなかった
Author: 作者 龐世偉 え·李耀林 Year 1994 Issue 11 PDF HTML
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29. 愛のそらごと
この短編は、人民解放軍編集の雑誌『菎斎』に掲載されたもので、主人公の夫も軍人という設定になっています。妻が、礼儀小姐(リーイーシヤオジエ)(ホテル、レストラン、商店などの入り口で客を送迎する女性)コンテストに出る、と言う。これには全く仰天させられた。だがもっと驚いたのは、僕がろくに考えもせず、しかもにっこり笑ってOKし、誠意と理解を顔ぢゅういっぱいにしたことだ。僕にこの話を切り出したとき、妻は頬を
Author: 作者 范紅斌 え·高栄生 Year 1994 Issue 12 PDF HTML
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30. 棋力
局長が強すぎるんです!僕なんかいくら頑張ったって、局長には勝てっこないですよ!あいつはほんとにせこい!牟徳俊の友人たちはみんなそう言う。農村に下放していたころ、彼はいつも生産隊長にぺこぺこ頭をさげ、満面に笑みをたたえてヘイコラしたおかげで、楽な仕事に回されたり、労働点数でも満点をもらうなど、ずいぶんとうまい汁を吸ったものだ。やがて政策が変わり、知識青年は都会に帰り始めたが、このとき真っ先に帰ったの
Author: 作者 劉平 え·葉曙光 Year 1995 Issue 2 PDF HTML