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Your search : [ author:薩本樑] Total 3 Search Results,Processed in 0.073 second(s)
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1. 落しもの相談所のぞ記
劉さんの腕時計ある日の夕方、小学校の事務員をしている劉佶生(りゆうきちせい)(リユウ·チーシヨン)(女57歳)さんは学校からのかえり道で大切な金時計を落してしまつたことに氣がついた。劉さんは落胆のあまり食事もろくにのどをとおらない。懷中電灯を手に庭から橫町、さらに大通りへと、さつき通つてきた道という道をくまなくさがしたが、金時計はかげもかたちもなかつた。くだんの時計は彼女の満十歳の誕生日に祖母から
Author: 薩本樑 Year 1958 Issue 1 PDF HTML
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2. ピオニールになつた越ちやん
始業のベルがなつた。敎室を見わたした阮(げん)(ユワン)先生の目にぽつんと一つ空いた席がうつつた。「越(えつ)ちやんはどうしたの?」敎壇の方を目くばせする子供もあつた。先生がにがりきつているところへ、突然「バアー」という声がして、一人の子供が机から頭を出し、敎室ぢゆうを爆笑させた。この子が惡童で名の通つた馬越(ばえつ)(マー·ユエ)、つまり越ちやんである。阮先生は越ちやんを席につかせるときびしくし
Author: 薩本樑(サーペンリヤン) Year 1957 Issue 9 PDF HTML
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3. 北京の呼び出し赤電話
北京市の宏廟(こうびよう)(ホンミヤオ)胡同に住む賈(か)(チヤ)おばさんのうちでは孫の肺炎が急にわるくなつた。すぐ医者にかけねばならない。だがこの寒い冬の夜に遠い病院まで抱いてゆくのはよくないにきまつている。賈おばさんはどうしたものかと思案しているうちにふと王(おう)(ワン)先生というお医者さんの家の付近によびだし電話のとりつぎ所があるのを思いだし、早速ものはためしとそこへ電話をかけてみた。とり
Author: 薩本樑(サーペンリヤン) Year 1958 Issue 6 PDF HTML