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Your search : [ author:蕭乾] Total 4 Search Results,Processed in 0.082 second(s)
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1. 労働者の休養地北戴河
北京発瀋陽行きの急行列車は寢台車を十輛ほどもつけているが、すくなくともそのなかの一輛には、興奮して眠れない客がかなりたくさんいた。今年の夏のトツプをきつて、華北の有名な避暑地北戴河へ休養にゆく北京市の百名あまりの労働者がそれだ。製鋼所、電氣工場、ガラス工場、紡織工場、釀造所、建築関係と、それぞれ職場のちがう人たちがおなじ目的をもつて、一緒におなじ場所に出掛けていくのだから、興奮するなといつたところ
Author: 蕭乾 Year 1955 Issue 9 PDF HTML
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2. 「友誼」果樹園
綠のうなばら「もう少し早くか、おそく來なさればよいものを、どうしてよりによつて今頃おいでなさつたんかね?」農場主任のいる事務所へゆく道を教えてくれた老人がこう言つたのも無理はなかつた。果樹のなかでも花の咲くのがいちばんおそいといわれる国光リンゴの白い花ももう散つて、一番はやく熟れるサクランボの実はまだ靑く、遠くからは葉の色と見分けがつかない。それでも、老人はやはり煙管をにぎつた方の手をあげて、これ
Author: 蕭乾(シヤオチエン) Year 1957 Issue 1 PDF HTML
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3. 躍進する草原の人びと
蒙古包(パオ)を訪ねるとなれば、何はともあれ牧畜民の風習を心得ておかなければなるまい。そこで、出発に先立ち草原の事情にくわしい友人の教えをうけることにした。友人たちは、蒙古包の中にはゆめゆめムチを持ちこんではならぬ、敷居に腰をかけたり、仏壇の前を橫ぎつたりすることはぜつたい禁物だ、とくれぐれも注意してくれた。ところが、內蒙古北部のシリンホツトから二〇キロほどはなれた勝利牧畜業協同組合をたずねてみる
Author: 蕭乾(シヤオチエン) Year 1957 Issue 3 PDF HTML
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4. 敎壇生活四十余年の劉景昆先生
劉景昆(りゆうけいこん)(リユー·チンクン)先生は三年まえに還曆をむかえたとき、鉄道部につとめている長男から退職をすすめられた。「お父さんが教壇に立たれたのは、まだ袁世凱がのさばつていた頃だつていうじやありませんか。北京の第四中学だけでももう三十四年になるんでしよう? 年が年だし、リユーマチの気もおありなんだから、もうそろそろ学校をお止めになつちや……」だが、こういう長男の言葉を劉先生はどうしても
Author: 蕭乾(シヤオチエン) Year 1957 Issue 5 PDF HTML