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Your search : [ author:胡万春(フーワンチユン)] Total 2 Search Results,Processed in 0.076 second(s)
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1. 愛情の芽ばえ
1ここのところじめじめした長雨つづきで、まつたくクサクサさせられた。ところが、今日は見違えるような天氣と來ている。靑い空には綿雲が浮かんでいるし、黃ばんだエンジユの葉が風にサラサラなつている。それに工場の屋根の天窓までが、ダイヤモンドのようにキラキラ光つている。あー、いい日曜日だなあ……俺はすがすがしい空氣を胸いつぱい吸い込んで、ベンチに腰を下すと、手早くユニフオームを着込み、靴をはきかえた。支度
Author: 胡万春(フーワンチユン) Year 1958 Issue 7 PDF HTML
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2. 先輩
今日は日曜日、工場は休みで職場主任をしている老熟練工の陳(チエン)さんはどこへも出かけず、家の中でねそべっていた。窓の外にはしだれ柳の濃い緑の枝が、そよぎもせずにじっとたれさがっている。ちょうど暑いさかりの昼さがりなので、部屋の中はひっそりと静まり、疲れを知らぬ蟬たちのさかんな鳴き声さえも、何となく眠気をさそうようだ。しかし陳さんはなにやら考え事があって、すこしも眠気を感じなかった。そのとき階段に
Author: 胡万春(フーワンチユン) え·翁乃強(ウオンナイチヤ) Year 1964 Issue 9 PDF HTML