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Your search : [ author:劉白羽] Total 5 Search Results,Processed in 0.078 second(s)
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1. 雄々しき朝鮮美しき朝鮮
三年と三十三日という二の時間は、けして短かいものではない。この期間を通じて朝鮮は巨大な火山のように、全世界の人びとの注目をあつめ、人びとの心を燃えたたせた。だが、今、前線で銃声はハタとやみ、明るい燈火は野花のように咲き出たのだ。そして、戰士たちが泥濘の塹壕をはい出し、名もしらぬ朝鮮の母親が第一線の平和の曙光にほつと微笑をもらしたその時、わたしは、このおごそかな事実にじつと思いをこらした。《いつたい
Author: 劉白羽 Year 1953 Issue 4 PDF HTML
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2. 赤いネツカチーフ
われわれの中隊に、同志たちからとても大切にされているものが一つあるんです。何だと思います?これですよ、この赤いネツカチーフなんです。ほら、別に変つたところはない、普通の赤いネツカチーフでしよう?ただちよつとばかし古ぼけてはいますがれ、この角んところは銃剣を突きさした穴で、それからこの黒いシミ……これは人間の血です。じやあこれからひとつわれわれのこの赤いネツカチーフの來歷をお話しましよう……。一九五
Author: 劉白羽 Year 1954 Issue 2 PDF HTML
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3. 海
日本の桜のことはさきに書いたので、こんどは日本の海について話してみたい。春のせいだつたかも知れない、私がはじめて日本の海をみたとき、絹の肌ざわりのように柔らかい青みどりいろの海面にはさざ波がただよい、何ともいえぬ美しさだつた。高所から眺めると、はるばると見はらかすかぎりの煙と波。ときには海が足もとでなにかささやいている。そのとき私は考えた、日本を訪れたひとでこのように美しい海に心をひかれぬものがあ
Author: 劉白羽 Year 1961 Issue 8 PDF HTML
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4. 道標(上)
臨津江(イムシンガン)突破作戦―三十八度線上ですすめられたこの戦闘のさなかに、こんなことがあつた。それはまことに壮烈な出来事であつた。中国人民志願軍の突撃部隊が嵐のように江面をわたり、敵の陣地を突破してさらに前進しはじめた頃、連隊指揮部もすぐその後からつづいて前進した。その時、前方ではげしい銃声がとどろき、アメリカの砲弾が江面に火柱のようにふりそそぎ、夜間戦闘機も綠色の翼燈をひらめかせながらあわて
Author: 劉白羽 え 董辰生 Year 1960 Issue 10 PDF HTML
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5. 道標(下)
話はあとに戾るが、臨津江(イムジンガン)―三十八度線突破の任務がこの連隊におりて来た時、同志たちはひどく興奮したものだつた。読者の皆さんも、目をつぶつて思い出していただきたい―あの頃、全世界の人びとの目は、朝鮮のこの戦線にあつまつていた。われわれが敵の陣地を突破できるかどうか、この一点に全世界の目はそそがれていたわけだ。とすれば、当時朝鮮前線で戦つていた戦士たちが、この全世界をゆるがす戦闘任務をど
Author: 劉白羽 え·董辰生 Year 1960 Issue 11 PDF HTML