中国には、十数年前から全国的に展開され、いまなお平行線をたどったままの大論争がある。それは、偽物と知りながら購入した者は「消費者」といえるか、という問題である。この論争は「王海現象」と呼ばれる。一九九五年、当時、青島の会社に勤務する会社員の王海さんは、北京への出張中、本屋で偶然、一冊の本を手にした。そこには「商品またはサービスの提供において詐欺的行為があったときは、経営者は消費者に、商品価格の倍額...
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中国には、十数年前から全国的に展開され、いまなお平行線をたどったままの大論争がある。それは、偽物と知りながら購入した者は「消費者」といえるか、という問題である。この論争は「王海現象」と呼ばれる。一九九五年、当時、青島の会社に勤務する会社員の王海さんは、北京への出張中、本屋で偶然、一冊の本を手にした。そこには「商品またはサービスの提供において詐欺的行為があったときは、経営者は消費者に、商品価格の倍額...