「兵車行」は、杜甫が意識していたかどうかは別にして、最初の反戦詩だと思います。杜甫の反戦詩が優れているのは、戦争の実写を伴わない点です。戦いの背景にある人々の苦しみを描き、しかも、その眼は、人々への限りない愛情で貫かれているのです。その観察眼の深さが、詩意の戦争の悲惨さを際だたせています。前回兵士に問いかけた杜甫は、今回は、国の荒廃や兵士の嘆きに及びます。辺亭流血成海水、...
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「兵車行」は、杜甫が意識していたかどうかは別にして、最初の反戦詩だと思います。杜甫の反戦詩が優れているのは、戦争の実写を伴わない点です。戦いの背景にある人々の苦しみを描き、しかも、その眼は、人々への限りない愛情で貫かれているのです。その観察眼の深さが、詩意の戦争の悲惨さを際だたせています。前回兵士に問いかけた杜甫は、今回は、国の荒廃や兵士の嘆きに及びます。辺亭流血成海水、...