前回、明末期の儒学者·朱之瑜(号は舜水)に触れたが、彼の名前からは、同時代の著名な文人である李漁(浙江省蘭渓出身、号は笠翁、一六一一~八○)を思い出さずにはいられない。朱之瑜と李漁はともに浙江省の人だが、性格はまるで違う。朱は、まじめすぎるくらいまじめで、一方の李は、何をするにも遊び心を持っていた。朱は、江戸前期の日本での儒学の発展に貢献し、特に水戸学の形成を推進した。李は、日本に足を踏み入れたこ...
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前回、明末期の儒学者·朱之瑜(号は舜水)に触れたが、彼の名前からは、同時代の著名な文人である李漁(浙江省蘭渓出身、号は笠翁、一六一一~八○)を思い出さずにはいられない。朱之瑜と李漁はともに浙江省の人だが、性格はまるで違う。朱は、まじめすぎるくらいまじめで、一方の李は、何をするにも遊び心を持っていた。朱は、江戸前期の日本での儒学の発展に貢献し、特に水戸学の形成を推進した。李は、日本に足を踏み入れたこ...