四川省の省都、成都を出発した私たちの車は、川蔵(四川―西蔵(チベット))道路をひたすら西に走った。海抜三千四百三十七メートルの二郎山を越えると、道路はカーブの多い、急な下り坂になった。スピードは出せなかったにもかかわらず、車窓から見る山々はまるで跳躍でもしているようにはげしく上下した。やがて草原が開け、ゆうゆうと漫歩するヤク(チベットなど三千メートル以上の高原に生息する牛)や、パオ(テント式の移動...
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四川省の省都、成都を出発した私たちの車は、川蔵(四川―西蔵(チベット))道路をひたすら西に走った。海抜三千四百三十七メートルの二郎山を越えると、道路はカーブの多い、急な下り坂になった。スピードは出せなかったにもかかわらず、車窓から見る山々はまるで跳躍でもしているようにはげしく上下した。やがて草原が開け、ゆうゆうと漫歩するヤク(チベットなど三千メートル以上の高原に生息する牛)や、パオ(テント式の移動...