地方の人びとが前門を北京のシンボルのように思うのは、ふしぎでもなんでもない。現に四十数年前、私が故郷の江蘇省から初めて北京に来たときも、北京駅は前門のすぐ東どなりにあったのだ。駅の玄関を出てまず目に飛びこんできたのは、雄大で荘厳な正陽門(前門の正式の名称)と箭楼(せんろう)だった。ともに五百年以上の歴史をもっているのに、まだできたばかりのように思われ、その輝かしさはまさに古代建築の傑作というにふさ...
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地方の人びとが前門を北京のシンボルのように思うのは、ふしぎでもなんでもない。現に四十数年前、私が故郷の江蘇省から初めて北京に来たときも、北京駅は前門のすぐ東どなりにあったのだ。駅の玄関を出てまず目に飛びこんできたのは、雄大で荘厳な正陽門(前門の正式の名称)と箭楼(せんろう)だった。ともに五百年以上の歴史をもっているのに、まだできたばかりのように思われ、その輝かしさはまさに古代建築の傑作というにふさ...