山紫水明の西湖とはいえ、眺めているだけで食べていけるところではない。やむをえず、五年後には山林を出て官職についた葛洪だが、親友の郭文が死すると、人生の空しさを痛感し、再び隠遁生活に入る。有名な志怪小説『捜神記』の作者、東晋の干宝の推挙もあったが、出仕を断りつづけた。三三三年、年齢を意識し、煉丹を急がねばと、丹砂の産出地である交趾郡勾漏県(今の広西チワン族自治区境内)の県令の任を買って出る。あの才覚...
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山紫水明の西湖とはいえ、眺めているだけで食べていけるところではない。やむをえず、五年後には山林を出て官職についた葛洪だが、親友の郭文が死すると、人生の空しさを痛感し、再び隠遁生活に入る。有名な志怪小説『捜神記』の作者、東晋の干宝の推挙もあったが、出仕を断りつづけた。三三三年、年齢を意識し、煉丹を急がねばと、丹砂の産出地である交趾郡勾漏県(今の広西チワン族自治区境内)の県令の任を買って出る。あの才覚...