五十年前、北京の白塔寺(パイタースー)薬店で、七、八歳の小女がいすに腰かけて、高名なベテラン中医師が患者を診察するのを興味深く見守っていた。幼いころの国敏元さんである。この店は彼女の祖父とおじが経営する薬局で、母がよく彼女を連れて遊びに来た。おじやいとこが薬を売るたびに、彼女は薬の名前や効能を知りたがった。古くから勤めていた薬剤師が丸薬を配合するときの様子が不思議に思えてならなかった。こうした体験...
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五十年前、北京の白塔寺(パイタースー)薬店で、七、八歳の小女がいすに腰かけて、高名なベテラン中医師が患者を診察するのを興味深く見守っていた。幼いころの国敏元さんである。この店は彼女の祖父とおじが経営する薬局で、母がよく彼女を連れて遊びに来た。おじやいとこが薬を売るたびに、彼女は薬の名前や効能を知りたがった。古くから勤めていた薬剤師が丸薬を配合するときの様子が不思議に思えてならなかった。こうした体験...