四川省の省都成都(チョントウ)から西南九〇キロの所に景色のよい、素朴な人々の住む古い町黄竜渓(ホワンロンシー)がある。うねうねと続く錦江(チンチアン)が町の周りを流れ、川面には漁船が漂い、遊覧船が行き交う。青い石畳の道を行くと、横町には明、清時代の民家がびっしりと立ち並んでいる。町のそこここに、樹齢七百年を超える六本のガジュマルが葉を茂らせている。夕暮れ時、寺の鐘の音が響き渡るころ、家々からかまど...
Please login first!
四川省の省都成都(チョントウ)から西南九〇キロの所に景色のよい、素朴な人々の住む古い町黄竜渓(ホワンロンシー)がある。うねうねと続く錦江(チンチアン)が町の周りを流れ、川面には漁船が漂い、遊覧船が行き交う。青い石畳の道を行くと、横町には明、清時代の民家がびっしりと立ち並んでいる。町のそこここに、樹齢七百年を超える六本のガジュマルが葉を茂らせている。夕暮れ時、寺の鐘の音が響き渡るころ、家々からかまど...