阿倍仲麻呂の望郷の歌阿倍仲麻呂が藤原清河大使の第一船に乗って揚州から蘇州の黄泗浦に着いた日、長安滞在時代に親しく付き合っていた文友たちが、はるばる都から見送りに駆けつけてくれた。七五三年の旧暦十一月十五日、ちょうど満月が輝く宵、阿倍仲麻呂は友人たちと船のうえで杯をとり、名残を惜しんた。明るい月の光が船にさしかかり、水の上に月の倒影がぽつんと映っている。月を眺めている阿倍仲麻呂の心境は複雑だったろう...
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阿倍仲麻呂の望郷の歌阿倍仲麻呂が藤原清河大使の第一船に乗って揚州から蘇州の黄泗浦に着いた日、長安滞在時代に親しく付き合っていた文友たちが、はるばる都から見送りに駆けつけてくれた。七五三年の旧暦十一月十五日、ちょうど満月が輝く宵、阿倍仲麻呂は友人たちと船のうえで杯をとり、名残を惜しんた。明るい月の光が船にさしかかり、水の上に月の倒影がぽつんと映っている。月を眺めている阿倍仲麻呂の心境は複雑だったろう...