千六百年前、晋代の人干宝が書いた『捜神記』の中に妖怪の話が出て来ます。三国時代の魏の大臣で書家でもあった鍾繇を夜毎に一人の美女が訪ねて来ました。鍾繇は彼女の正体は人間でないと見抜いて、刀で彼女の足に切り付け、翌日血痕をたどって行くと、ある墓の中に女が横たわっていました。死体は白絹のシャツを着て、上に赤い刺繍のある「裲襠(りょうとう)」を重ね、「裲襠」から引きちぎった真綿に血を拭いた跡が残っていた、...
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千六百年前、晋代の人干宝が書いた『捜神記』の中に妖怪の話が出て来ます。三国時代の魏の大臣で書家でもあった鍾繇を夜毎に一人の美女が訪ねて来ました。鍾繇は彼女の正体は人間でないと見抜いて、刀で彼女の足に切り付け、翌日血痕をたどって行くと、ある墓の中に女が横たわっていました。死体は白絹のシャツを着て、上に赤い刺繍のある「裲襠(りょうとう)」を重ね、「裲襠」から引きちぎった真綿に血を拭いた跡が残っていた、...