聖跡·五台山巡礼（上）

これまで度々述べたように、初期の遣唐使は山東半島に上陸すると、陸路を西に取って青州、兗州、曹州……と進み、都の長安に至る。しかし青州、兗州、曹州などは、いずれも昔遣唐使が通った町として史料に名が記（しる）されているだけで、その時代を偲ばせるものは、いまはほとんど残っていない。そこでこれらの町は足早に駆け抜けて、次の目的地に急ぐことにした。遣唐使にはいつも、先進国の唐に渡って新知識を得ようと志す学者...