オウンク草原に別れを告げて、一人で額爾古納(エルグン)河流域で最初に出合う町―黒山頭鎮に向かった。北の辺境地帯では、町と言っても南方のようにたて込んでいない。黒山頭鎮と言ったって、草の生い茂った丘の上に、家々が勝手気ままに散らばっているのだ。二十世紀はじめ、河北省や山東省から流れてきた漢族と、シベリアから南下してきたロシア人たちが額爾古納河の中·下流の一帯に住み着き、毛皮や山の幸を持って河沿いに海...
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オウンク草原に別れを告げて、一人で額爾古納(エルグン)河流域で最初に出合う町―黒山頭鎮に向かった。北の辺境地帯では、町と言っても南方のようにたて込んでいない。黒山頭鎮と言ったって、草の生い茂った丘の上に、家々が勝手気ままに散らばっているのだ。二十世紀はじめ、河北省や山東省から流れてきた漢族と、シベリアから南下してきたロシア人たちが額爾古納河の中·下流の一帯に住み着き、毛皮や山の幸を持って河沿いに海...