架梯村は名前(梯子を掛ける)通り急坂が天まで昇っていた。この村は二十戸余り、百五十人ほどが住んでいる。もう冬に差し掛かっていたが、全身汗でセーターまでぐっしょり、頭にあるのは、早く着いて熱い湯で体を拭きたいということだけだった。服を脱ぐ時は肌寒い感じだったが、湯を使っているうちに寒さも疲れも消えてしまった。頭上には紺碧の空、正面には青山を望み、大自然に溶け入る感があった。ヤオ家では浴室内の大きな桶...
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架梯村は名前(梯子を掛ける)通り急坂が天まで昇っていた。この村は二十戸余り、百五十人ほどが住んでいる。もう冬に差し掛かっていたが、全身汗でセーターまでぐっしょり、頭にあるのは、早く着いて熱い湯で体を拭きたいということだけだった。服を脱ぐ時は肌寒い感じだったが、湯を使っているうちに寒さも疲れも消えてしまった。頭上には紺碧の空、正面には青山を望み、大自然に溶け入る感があった。ヤオ家では浴室内の大きな桶...