前回は胡同(北京の横町)の「同姓同名」のお話でしたね。正真正銘のもの(巷とか街とか呼ばれるものをふくまない)だけでも千三百十六もあるといわれる北京の胡同、その名称にはどれにも北京っ子のロマンが、ユーモアが、ペーソスが感じられます。城壁のあったころの北京に住んでおられた臼井武夫さんは『北京追想』(東京·東方書店)で「私の記憶に残る最も詩的で風雅な胡同を一つ挙げて置きたい。それは『百花深処』という胡同...
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前回は胡同(北京の横町)の「同姓同名」のお話でしたね。正真正銘のもの(巷とか街とか呼ばれるものをふくまない)だけでも千三百十六もあるといわれる北京の胡同、その名称にはどれにも北京っ子のロマンが、ユーモアが、ペーソスが感じられます。城壁のあったころの北京に住んでおられた臼井武夫さんは『北京追想』(東京·東方書店)で「私の記憶に残る最も詩的で風雅な胡同を一つ挙げて置きたい。それは『百花深処』という胡同...