つい何年か前まで北京でイヤなものといえば、春先の大風。黄塵万丈で、白昼でも車はライトをつけ、娘さんは紗のスカーフを二重にして頭と顔をすっぽりおおい、自転車の人が向かい風に遭おうものなら押して歩くしかない、といった情況がよくあったし、ときには黄塵は日本にも影響を及ぼした。一九七七年、ギニアのナイロビで開かれた砂漠化防止国際会議で、北京はついに、砂漠化の縁にある都市の一つに挙げられた。 一九九〇年代に...
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つい何年か前まで北京でイヤなものといえば、春先の大風。黄塵万丈で、白昼でも車はライトをつけ、娘さんは紗のスカーフを二重にして頭と顔をすっぽりおおい、自転車の人が向かい風に遭おうものなら押して歩くしかない、といった情況がよくあったし、ときには黄塵は日本にも影響を及ぼした。一九七七年、ギニアのナイロビで開かれた砂漠化防止国際会議で、北京はついに、砂漠化の縁にある都市の一つに挙げられた。 一九九〇年代に...